民主党・小沢氏、「総理の夢」に突き付けられたやいば
衆議院選挙目前に不法献金疑惑
- 写真提供=NEWSIS
前日、「側近中の側近」「小沢代表の金庫番」と呼ばれた公設第一秘書が、政治資金を不法に授受した疑いで検察に逮捕された。民間企業の西松建設から裏金2100万円を受け取った、という。日本の政治資金規正法では、政治団体の献金は認められているが、企業献金は禁じられている。小沢代表の政治生命を危険にさらす事件だ。
小沢代表は強い手を選んだ。自らの責任はもちろん、秘書の嫌疑も否認した。「政治団体の献金だと思っただけで、資金の性格(民間企業の裏金)は分からなかった」というわけだ。さらに一歩進んで「政治的・法律的に不公正な国家権力・検察権力の行使だ。民主主義と人権に対する脅威」と主張した。
沈黙の一夜が過ぎる間、民主党内の一部からは「小沢代表退陣論」が持ち上がった。しかし小沢代表が口を開くや、風向きは変わった。民主党執行部は「代表は間違っていない」と退陣論を一蹴した。民主党の山岡賢次国会対策委員長は、「陰謀だ」と主張した。メディアは「ひとまず党内の収拾に成功した」と分析している。
日本の政界は、衆議院選挙を目前に控えている。選挙の時期は、「議会解散権」を手にする政敵・麻生太郎首相に委ねられている。小沢代表が落馬した後、民主党内が落ち着くまで待ってくれる相手ではない。民主党では、「陰謀論」を武器に死活を懸けて戦うほかない、という共感の帯を作り出したわけだ。
日本国民の視線は、再び検察に向けられた。小沢代表の側近を逮捕した検察の組織は、東京地検特捜部。政治関連の捜査で「空振り」したことがないほどに巧みで、同時に果敢な捜査集団としても有名だ。1976年のロッキード事件や1992年の佐川急便事件の捜査を通じ、自民党の大物にして日本の政治権力の核心だった田中角栄や金丸信を打ち負かす、という赫々(かっかく)たる戦果を挙げている。今回の事件でも、すぐさま検察の力攻めが始まった。読売新聞はこの日の夕刊で、検察関係者の言葉を引用し、「小沢代表側が西松建設側にまず政治献金を要求し、請求書まで直接発送した」と報じた。
小沢代表は、またの名を「暗殺者」ともいう。野党の代表として在任しつつ、安倍晋三・福田康夫の両首相を任期半ばで退陣させた。しかし本当の姿は、「背信者」との烙印(らくいん)を押され、権力の頂点に立つことができなかった悲運の風雲児でもある。東京地検特捜部の次のカードと小沢代表の決断が注目される。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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