東北2年で47件 西松建設受注工事民主党の小沢一郎代表の政治資金管理団体「陸山会」に違法献金したとされる準大手ゼネコン西松建設が東北地方で受注した工事は、民間を含め2006年度に32件、07年度に15件だったことが4日、同社が建設業法に基づいて作成した工事経歴書で分かった。逮捕容疑で違法献金をしたとされる期間に含まれる06年度は、東北農政局が発注した鳴瀬川農業水利事業二ツ石ダム2期建設工事(宮城県加美町、約43億7000万円)、岩手県発注の主要地方道盛岡大迫東和線トンネル築造工事(盛岡市、約12億4500万円)などを受注した。 受注額は計約535億3000万円。県別では宮城14件、岩手6件、青森5件、秋田3件、山形と福島が各2件だった。 07年度はいわき駅前地区市街地再開発組合発注の再開発事業施設建築物新築工事(いわき市、約95億5400万円)、東北地方整備局発注の長井ダム本体建設第二工事(長井市、約41億3400万円)など。 受注額は計約281億3600万円と半減し、宮城6件、山形6件、青森と福島が各2件、岩手と秋田が各1件となっている。 東北地方整備局によると、西松建設は04―08年度、共同企業体を組み5件のダム関連工事を受注した。違法献金があったとされる期間の05年10月に森吉山ダム本体建設第二工事(秋田県、約110億1600万円)、06年3月には胆沢ダム洪水吐き打設工事(岩手県、約90億7200万円)を施工している。 <大久保容疑者 献金5、6回に分散> 西松建設の違法献金事件で、小沢一郎民主党代表の地元岩手県を管轄する同社東北支店が、影響力を持つ下請け企業に対し、小沢代表を支援するための政治献金や後援会入会などを呼び掛けていたことが4日、西松建設関係者の話で分かった。 また、西松建設のダミーとされる2つの政治団体が小沢代表側の3団体に献金する際、1―2週間程度の間で5、6回に分散させていたことも判明。東京地検特捜部は、小沢代表の公設第一秘書で資金管理団体「陸山会」の会計責任者大久保隆規容疑者(47)が同社からの献金を目立たないよう配慮し、違法性も認識していた可能性があるとみて経緯を調べている。 関係者によると、大久保容疑者は、政治資金規正法違反の逮捕容疑を否認している。 西松建設関係者によると、同社は1960年代から、下請け発注を効率的に進めるため、それまで土木工事のたびに直接雇用していた技術者が複数所属する企業を各地で設立させた。 こうしてできた企業は任意団体「松和会」をつくり、東北支店は、松和会の会員企業に小沢代表側への献金のほか、パーティー券の購入、後援会への入会などを依頼していた、としている。 政治資金収支報告書などによると、両団体は2004―06年、陸山会のほか、小沢氏が代表の第4区総支部と最高顧問を務める同党岩手県連の3団体に献金。総額は新政研が2400万円、未来研が900万円で、04年には12月6―20日の約2週間で1500万円を500万―100万円までに小口化し、6回に分けて献金した。
2009年03月05日木曜日
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