できるようになると、うれしいよね。カナで英語がちゃんと話せるシステムを作ったよ。学会でも好評好評♪
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『英会話初心者のためのカナ発音』第1章基本編
LESSON 1 「発音カナ」の正体は?
では、さっそくレッスンを始めましょう。勉強とはまず楽しむものです。堅苦しく考えずに気楽にいきましょうね。私もあちこち脱線しながら進めますので。
先程から「発音カナ」という言葉が頻出していますが、なぜ発音カナが必要なのでしょうか。それは、発音カナだとちゃんとした発音ができるからです?なぜか?それは、単純に「発音記号」をカナに翻訳したものだからです。
「発音記号」とは英和辞典に載っているアレです。単語のスペルの横についてますよね。一見アルファベットのように見えますが、[ æ ]のような見慣れない記号もいっぱい混じっています。そしてそれぞれの発音記号に対応するカナを当てはめたのが「発音カナ」なのです。
先程、単純に翻訳した、と言いましたが、これが意外と難しいのですね。というのは、日本人は英語の発音をカタカナで書く場合、条件反射的にこねくり回してしまうのです。典型的なのが「キャット」です。発音記号で書くと[ kæt ]ですが、なぜこれが「キャット」になるのか私にとっては長いこと疑問だったのです。自分でもばかなことで悩んでいたものだ、とも思いますが、子ども心でいろいろこねくり回していた記憶があります。「ネコは英語で“cat”っていうんだろ。だったら“a”は『ア』じゃないか。でもそうすると『カット』になっちゃうな。切るの意味になっちゃう」。
しばらく後に“cat”と“cut”は異なる発音記号で表すことを知って、別の音になることを理解しましたが、新たな疑問が出てきました。“bat”の発音記号が[ bæt ]と知ったときです。“hat”の発音記号が[ hæt ]と知ったときです。「なんで[ kæt ]は「キャット」なのに[ bæt ]は「バット」なのだろう?[ hæt ]は「ハット」なのだろう?」私の理屈では、同じ[ æ ]を使う以上、[ bæt ]は「ビャット」でなければ、[ hæt ]は「ヒャット」でなければいけないのでした。ここで私は、従来のカタカナ英語は結構イイ加減に出来ていることを学びました。
そして現在にまで至るわけですが、最近、もう一度「本当にカナで正しい発音は出来ないのだろうか」ということに思いを巡らす機会があったのです。私は今、子どもたちに英語を教える仕事をしていますが、子どもの様子を見ながら思ったのです。「初めて英語を習うとき、子どもは誰もが最初、カタカナで覚えようとする。だったら子どもに正しくカナで書くとどうなるか教えてあげれば、ウケるに違いない」。
子どもは、ああみえて、想像以上に厳密さを要求するものです。そのくせ難しいことはすぐに分からないと言います。ですから、発音記号ではこう言う、なんていう風に教えても難しくて分かんないと拒否反応を示すので、困ったものです。分かりやすくて精密な教え方。本来二律背反することを子どもは平気で望んできます。しかしそれを叶えるのが教師の仕事です。まあ強引に「こういうモノだ」と押し付けるのも教師の技量だと評価されることもありますが、私はあまり好きではありません。そこで私なりの悪戦苦闘の日々が始まりました。
まずは「発音カナ」のルールづくりです。自らに課した根幹のルールは「再帰性のあるものを作る」、という点に尽きます。これは可逆性と言い換えてもいいと思いますが、これではなんのことか分かりませんね。つまり「発音記号」を「発音カナ」に翻訳した後、もう一度「発音カナ」から「発音記号」に戻すことができる、ということです。
具体的にいうと、例えば「ライト」としたとき、これでは発音記号が[ lait ]なのか[ rait ]なのか、はたまた[ laito ]なのか[ raito ]なのか分かりません。これでは失敗作なのです。区別をなんとかつけるために、いろいろな手段を講じました。それがそのまま私の「発音カナ」の独自性、ユニークさにつながることになります。
基本的な法則を二つ。第一に、子音のみの音の時は、原則として「小さい字」。「小字」ですね。「下付き文字」っぽい、あれです。「ニュース」「チョウ」での「ュ」や「ョ」のことです。「ュ」がOKなら他のカタカナを小さくしてもバチは当たるまい、と思ってしまったのです。同じように【ス】【プ】【ト】と表記してこれを子音の音にしてしまえばいいわけです。例えば乗合自動車の“bus”を発音カナで書くと【バス】になります。
そして、それに伴い、日本語の「ッ」は、発音カナからはいっさい駆逐しました。「ッ」は子音のみの音の前に挿入されることが多いのですが、英語圏ではこの「ッ」の音は全く意識されません。子音が子音らしく、母音抜きの音を出せばいいのです。ですから「エッグ」は【エグ】に、「ネット」は【ネト】になります。これでちゃんと通じます。母音のある音を強く読んで、子音のみの音を弱く読めばいいのです。まあ自然と日本流の「ッ」が入るとは思いますけど、気にしないで下さい。「ッ」をどうしても入れたい人もいるでしょうが、「再帰性・可逆性」の最大の敵なので絶対にダメです。そもそも日本語の「ッ」は不統一過ぎます。どうしても税金の“tax”を「タクス」ではなく「タックス」と呼びたいのなら“taxi”は「タクシー」ではなく「タックシー」と呼ぶべきなのです。“rock”が「ロク」ではなく「ロック」ならば“rocket”は「ロケット」ではなく「ロッケット」と呼ぶべきなのです。“big”は「ビグ」ですか「ビッグ」ですか。“love”は「ラブ」ですか「ラッブ」ですか。ほら、不統一でしょう。基本法則の第一として、発音カナでは「ッ」はないことにします。
基本法則の第二は、日本語にない子音は、カタカナをあきらめてひらがなにする、という点です。この辺の割り切りの良さが発音カナの強みです。例えば“face”の“f”は発音記号だと[ f ]となりますが、日本語では該当する音がありません。そこで日本語でいちばん近い音をひらがなで表記する訳です。【ふエイス】と、ひらがなが混じっていると、何だか変ですよね。それこそが狙いです。ひらがながあれば「これは日本語とは違う音ですから気をつけて下さいね」というシグナルになるのです。【ふ】の正しい音の出し方は本サイトの[ f ]【ふ】の項に登場しますから、そこを読んでおけば、更に原音通りに出せるようになるのです。
2006-11-21 00:00:00|
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