準大手ゼネコン西松建設から違法献金を受けていたなどとして、小沢一郎民主党代表の公設秘書で資金管理団体「陸山会」の会計責任者大久保隆規容疑者(47)が逮捕された政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は四日、小沢代表から参考人として事情聴取する検討を始めた。
大久保容疑者が西松建設の資金と知りながら、ダミーとされる二つの政治団体からの献金だと政治資金収支報告書に虚偽の記載をした疑いが強まったとして、陸山会代表者の小沢氏に、違法性の認識の有無を確認する必要性が高いと判断しているとみられる。
特捜部は同日、民主党岩手県第4区総支部が入る同県奥州市の小沢代表の事務所を家宅捜索した。
関係者によると、大久保容疑者は逮捕容疑を否認している。
西松建設は、OBが代表をしていた新政治問題研究会(新政研)と未来産業研究会(未来研)の両政治団体を隠れみのに、同社による企業献金という実態を隠し違法献金を続けてきたとされる。
関係者によると、新政研などが小沢代表側の三団体に献金する際、一―二週間程度の間で五、六回に分散させていた。特捜部は、大久保容疑者が、西松建設からの献金を目立たないように配慮、違法性も認識していた可能性があるとみている。
政治資金収支報告書などによると、両団体は二〇〇四―〇六年、陸山会のほか、小沢氏が代表の第4区総支部と最高顧問を務める同党岩手県連の三団体に献金。総額は新政研が二千四百万円、未来研が九百万円で、〇四年には十二月六―二十日の約二週間で千五百万円を五百万―百万円までに小口化し、六回に分けて献金した。
また、小沢代表の地元岩手県を管轄する同社東北支店が、影響力を持つ下請け企業に対し、小沢代表を支援するための政治献金や後援会入会などを呼び掛けていたことも、西松建設関係者の話で分かった。
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