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麻生首相、露大統領に強硬姿勢 「具体的進展なければ関係つくれぬ」
麻生太郎首相が2月18日のロシアのメドベージェフ大統領との会談で、「(北方領土問題を最終的に解決する)平和条約交渉に具体的な進展がみられなければ、大統領が提唱する日露のアジア太平洋地域でのパートナーシップ関係の構築はできない」と指摘し、強くクギを刺していたことが3日、分かった。これに対し、大統領はうなずき「検討する」と答えたという。
首相は会談後、記者団に「アジア太平洋地域における戦略的な関係をロシアと構築する上で重要な一歩を踏み出した」と述べ、会談の意義を強調した。大統領の反応に一定の手応えを感じたものとみられる。
ロシアは近年、極東・東シベリア開発やエネルギー問題などで協力強化を求めている。特に大統領は昨年11月の首相との会談で、領土問題に関し「解決を次世代に委ねることは考えていない」と、自ら解決に取り組む意欲を示していた。
また、今回の会談でも「新たな独創的で型にはまらないアプローチ」の下での領土交渉を唱えた。会談で首相は大統領に「次回会うまでに(北方四島の)帰属問題についてのきちんとした答えを示してほしい」と要請しており、政府は今後のロシア国内での作業の進展を注視している。
ただ、日露間で言葉は躍っているものの「ロシアの基本姿勢は歯舞、色丹の2島返還を明記した1956(昭和31)年の日ソ共同宣言から一歩も踏み出してはいない」(外務省幹部)との厳しい見方もある。