(cache) インタビュー　-日刊自動車新聞-

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ジヤトコ社長　石田繁夫氏

　ＣＶＴ（無段変速機）を中心に自動変速機（ＡＴ）の販売が順調に拡大、２００７年度には初めて５千億円の売上高を達成する見通しになった。０８年以降は国内外でＣＶＴの生産ラインを増強、省燃費ユニットの拡販に向けた体制を整える。

　―販売状況は

　「０７年度は、下期に主要納入先である日産自動車が生産を盛り返したことによって、４２０万台を超えそうだ。とくにＣＶＴは、４ＡＴからの代替の本格化によって増えている。０８年度は４２０万台にどれだけ上乗せできるかはわからないが、伸びを期待できる」

　―ＣＶＴの増産は

　「グローバル販売は０７年度が前期比３５％増の１６０万台と見ている。海外では０８年にはメキシコの第２ラインが、０９年には中国・広州の新工場がそれぞれ稼働する。ただ、ＣＶＴの販売比率は、０９年には０７年比１２ポイント増の５０％に引き上げる計画のため、さらなる増産対応が必要だ。このため、来年度から日本のステップＡＴのラインをＣＶＴ用に転換していく。工数の違いがあり変更が難しかったが、１０年以上ＣＶＴを生産し続けてやり方がわかった」

　―増産投資の規模は

　「ライン改造でＣＶＴを増産できるようになるため、投資を効率化につなげる。当面は通常期と同様に３００億円前後の設備投資を継続し、ＣＶＴの増産ペースを速めていく」

　―技術開発の取り組みは

　「ＣＯ２の排出を減らせる高効率な変速機に対するニーズはますます増えており、ＣＶＴや多段ＡＴが普及していくはずだ。フリクション低減といった基本を磨くとともに新しい制御の考え方を盛り込み、ロス削減を徹底する。ＣＶＴは現在、金属ベルト式が主流だが、改めてチェーン式を提案するサプライヤーが出てきた。両方の可能性を検討しながら、最新の性能を実現していく」

　―開発体制の強化は

　「韓国やインドなどに海外開発拠点があるが、かなりのことができるようになってきた。特に韓国はパワーがある。日本の本社とさまざまな解析、アプリケーション業務を分担するというように開発の柱を担っている。この２、３年で欧米のプロジェクトを任せられるほどの実力をつけた」

　―人材育成の強化は

　「技能伝承などを狙い開設した〝技能塾〟では検査、品質管理の講座を新設した。今後は事務系のプログラムを充実するほか、講座の選択肢を広げて自主性を生かせるようにする。最近は、この会社にいることによって自分がどれだけ成長できるかを重視する若手が増えた。その思いの受け皿をつくり、個人と会社両方の成長に結びつけることがわれわれの役割だ」

―昨夏、中越沖地震の影響で生産が一時止まったが、災害対策の見直しは

　「東海地震を想定して対策に取り組んでいた。昨夏の生産停止は幸い３日間と短期にとどまったが、不十分なことがわかり調達先とともにやるべきことを見直した。同期生産が基本にあることは変わらないが、復旧にかかる時間を従来の想定よりも短くしなければいけない」

　「また、在庫を単純に増やすのではなく持ち方を変えるべきということ、ライフラインの復旧の順番を考慮して対策を準備するといったより現実に即した対応を考えられるようになった」

2008.1.25

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