捜査は不公正だと反論した小沢代表。検察側のねらいはどこにあるのでしょうか?検察幹部は、「西松建設側から小沢代表側の団体への献金金額は突出している」と、立証に自信を示しています。
「逮捕を含めた強制捜査を受けるいわれはない」(民主党、小沢一郎 代表)
検察の捜査を強く批判した小沢代表。しかし捜査のメスは、ついに小沢代表の地元・岩手県にまで及びました。特捜部は4日、新たに、奥州市の小沢代表の事務所と民主党岩手県連第4区総支部など、数か所を家宅捜索しました。
3日、政治資金規制法違反の疑いで逮捕された公設第一秘書・大久保隆規容疑者(47)は、資金管理団体「陸山会」の会計責任者を務める金庫番です。
逮捕容疑となった、西松建設からの違法献金の仕組みはこうです。陸山会に献金していたのは、西松建設のOBが代表をつとめる2つの政治団体。しかしこの金の原資は「社員の会費」です。しかも社員が自発的に支払ったものではなく、会社がボーナスを上乗せする形で支給したものだったということです。つまり、西松建設は、政治団体からの寄附を装い法律で禁止されていた企業献金を行っていたことになるのです。
「もし企業献金という認識があったのなら、政党支部で受領すれば、何の問題も起きなかったわけでありまして」(民主党、小沢一郎 代表)
こう反論する小沢代表ですが、専門家は次のように指摘します。
「小沢さんの政党支部に『西松建設』という名前で献金すれば問題ない。ただ、西松建設と小沢さんとの密接な関係が分かってしまうということがあるもんですから、その関係を隠したいとなると、今回のようなやり方が出てくるのではないかという気がします」(政治資金規正法に詳しい 日本大学法学部 岩井奉信 教授)
西松建設では、前社長の国沢幹雄容疑者(70)が、献金先や金額までを具体的に指示していたとされます。献金は複数の自民党大物議員にも行われていましたが、特捜部の調べによりますと、小沢代表側に渡った資金は10年間で少なくても1億8000万円にのぼり、突出していたといいます。
大手ゼネコンの関係者は、JNNの取材に次のように話しました。
$$「西松建設クラスでは金を使わないと仕事は取れない。年間1千万円単位の献金は、おつきあいのレベルを超えている」(ゼネコン関係者)
Q.今後の捜査のポイントは
「なぜ西松建設がダミーを使ってまで献金をしていったのか、その背景を究明しなくてはならない」(元東京地検特捜部長、石川達紘 弁護士)
再び浮上した政治と金を巡る事件。検察幹部は立証に自信を示しています。
「立件したのは、金額が突出していたのと、あくまで証拠があったから。国策捜査とかではなく、証拠があったからだ」(検察幹部)
調べに対し、大久保容疑者は容疑を否認していますが、特捜部は今後、違法献金への小沢代表の認識など、慎重に捜査を進める方針です。(04日17:02)