「美しき宝島『台湾』訪問が夢」　全人代会見で李前外相

　「美しき宝島『台湾』をこの目で見ることが私の夢」。中国の第１１期全国人民代表大会（全人代＝国会）第２回会議のスポークスマンを務める李肇星前外相は４日の記者会見で、昨年５月に誕生した馬英九政権との間で関係改善が進む台湾への、早期訪問を希望していることを明らかにした。

　全人代に関する記者会見で、中国高官が台湾問題でここまで情緒的な発言をするのは異例。台湾の記者からの中台関係に関する質問に答えた。同時に「偉大なわが祖国（中国）が平和的に統一されることも見届けたい」と強調。対話を通じ台湾を手中に収めたいとの本音をチラつかせた。

　李氏はまた、中国政府による４兆元（約５６兆円）の大型経済対策で、このうち１兆１８００億元をいわゆる“真水”として中央財政予算に組み込むことを全人代で承認する方針も明らかにした。インフラ建設などが柱の４兆元の経済対策の行方は、中国だけでなく世界経済の回復にも寄与するとして注目されている。（北京　河崎真澄）

【関連記事】
・ 台湾に収蔵品貸し出しへ　北京故宮トップが初訪台
・ 台湾も麻生首相の尖閣発言に抗議
・ 米中の国防対話が再開　対台湾問題などで「依然困難」と中国
・ 上海博物館トップが初訪台　収蔵品貸し出しで合意
・ 中国も国防対話開催を確認　米中軍事交流再開へ