公設第1秘書が政治規正法違反容疑で逮捕された問題で民主党の小沢一郎代表は4日、「何ら問題はない」との立場を貫き、代表にとどまる道を選択した。だが、次期衆院選での政権交代に王手をかけていた同党にとって「選挙の顔」を見舞ったスキャンダルのダメージは小さくない上、捜査の行方次第では小沢氏の強行突破が致命傷にもなりかねない。民主党は“爆弾”を抱えたまま走り出した。
党内外で「辞任やむなし」の声も漏れている中、小沢氏を強気にさせているのは、秘書の潔白は証明できるという自信だ。「次期衆院選に政治生命をかける」と明言してきた小沢氏にとって、自らの陣頭指揮で政権の座を手元にぐっと引き寄せた自負もある。党執行部や小沢氏周辺も当初から「小沢氏続投ありき」の姿勢を崩さなかった。
だが、国会で小沢氏の「政治とカネ」をめぐる問題を与党側に集中攻撃させる大きな材料を与えてしまった。上げ潮ムードだった党勢の失速も避けられそうにない。党内では少数派ながら、小沢氏に距離を置く議員の間で「グレーの代表はさっさと代えて新体制で選挙に挑んだ方がいい」(中堅)との声もくすぶる。
小沢氏続投はいわば“執行猶予付き”との判断だが、時間を置いて「小沢爆弾」が炸裂(さくれつ)することになれば、党に与える打撃はより大きくなる。
民主党のあるベテラン議員はこうため息をついた。
「結果的に『壊し屋』の小沢氏に民主党もつぶされることにならなければいいが…。いまは小沢氏の説明を信じるしかない」(高木桂一)
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