不法就労者の「人権を守る」ことは・・・(2)
いくつかのご意見を掲載したところ、さらにメールをたくさん頂きました。
追加でいくつか抜粋してご紹介します。 趣旨を損ねない範囲で一部を省略させていただいた上で掲載することをお許し下さい。
さて、私(難キ連サポーターズ管理人)の個人的意見を先に述べさせていただきますと、いままでのところですこし問題が整理されてきたように感じています。
1. 不法就労者=犯罪者なのだから、裁かれて(制裁を受けて)当然。
2. アルバレス一家の支援と難民支援は別の問題。
2.については、私たちは真剣に反省しなくてはならないと感じています。 個人的な同情から背景を充分吟味しないままで、あるいはその説明なしに署名を呼びかけたことは、私たちの活動として不適切であったと言わざるを得ません。
ただ、1. についてはどうでしょうか。 もちろん、これらのご意見は客観的に見て法的にも社会的にも正論で、全く反論の余地はありません。 しかしどうしても気になっていることがあります。 それは、
自分自身には危害(生活基盤が脅かされるおそれ)が及ばない安全なところにいる圧倒的多数の「善良な市民」が、法を犯した者に対して「身から出た錆でしょう」という大合唱を投げつける社会の不気味さ
です。 これについてはまたあらためて書きます。 今日のところは先週頂いたメールでのご意見の紹介にとどめさせてください。
・不法就労者の人権を守る責務は不法就労者の母国にある
・法治国家として、人情論だけで済ませる問題ではない
・法の軽視と、法を厳格に適用しすぎることの弊害は同じ
・本件は犯罪性が高く情状を汲む必要性が全く認められない
・きちんとした線引きがあってこそ、日本人の外国人に対する偏見も少なくなり、外国人にとっても住みやすい日本になる
・なし崩し的に認めれば将来的には必ず大規模な外国人排斥運動につながる恐れ
犯罪を行った者が得をするような世の中にすべきではない。
そもそもこのアルバレスさん一家の件は、難民問題と同列に扱うような問題なのでしょうか?
善意でなさっていることとは思いますが、経済的な利益を求めて本来守るべきルールを犯して入国し、摘発さ
れながらも経済的な理由から本来の祖国に帰ることを拒んでいるような例と、国境の難民キャンプで、故郷に帰
る日を祈りながら飢えや迫害に耐えている人達と同列に考えてよいのでしょうか?善意の援助が、不幸にも逆に人々の自立への気概を削いでしまったなどの事例への反省から、援助の形というのは、よくよく考えて行わなければならないというのは現在ではよく言われていることと思います。
こういう問題ではすぐに「日本からでていけなんてかわいそう」という論調になりますが、フィリピンにだって幸せな暮らしはあるはずです。 なし崩しに「日本人のようなもの」として生きるより、一旦今の「不法状態」を解消し、正面から本来の祖国を受け入れることだって、長期的には大切なことだと思います。
祖国を豊かな、暮らしやすい国にすることは、彼ら自身の権利であり、義務です。
経済理由の人口流出が多いのなら、フィリピンをもっと豊かにするために何かお手伝いできることはないか、というお話なら、難民問題と直接の関係はないながらも、共感をもって伺えると思います。
1)外国人労働者は日本国内の賃金上昇を抑える
2)結果、安い労働力を求める企業の海外進出を抑え途上国の発展機会を奪う
3)途上国から優秀な人材を奪う中国は開放政策により、中国の安い労働力を狙った外資を受け入れて発展しました。
難キ連では移住労働者も難民扱いしているようですが、経済難民の受け入れはいつまでも先進国のみが繁栄を謳歌するひどい政策です。 国際的にも経済難民は難民として扱っていないと思います。
政治難民はともかく、移民労働者(を受け入れること)は先進国のエゴなので、その存在自体に人道的に反対すべきだと思います。
意見を述べるには、あまりにも当方の持っている情報が少ないので偏見が多く混じっています。
まず肯定的な立場から
日本で生活が安定してるのに不法入国という一文だけで、リスクを伴う強制帰国は酷であるというのは理解できます。次に否定的な立場から
日本への不法入国は毎年数多く入っていると聞いています。例外としての永住許可を与えてしまうと不法入国を合法にしてしまう可能性を秘めています。不法入国を罰した上で、なおかつ日本滞在を許可するとなると
・子供だけ許可
・一旦帰国の上、改めて正式許可
くらいしか思いつかないのです。おまけ
在日特権という単語が存在します、むろん悪い意味の言葉です。
日本人が恐れるのは、移民に親切にして日本人の仕事や安全、文化を奪われないかという事。
アルバレス一家を認めた場合、彼らのケースを他の違法入国者が求めないか?という不安が大きいのです。とはいえ困った人を助けるのは道理には適っていると思っています。
色々意見があるとは思いますが、良心に従って頑張ってくださいませ。