ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン福島> 記事

患者ら不安拡大

2009年03月03日

 ●透析休止、福島労災も今春

 いわき市にある福島労災病院(大谷巌院長、426床)の泌尿器科が、常勤医3人の転出で4月から休診となり、人工透析治療も休止する。昨年4月には市立総合磐城共立病院も外来透析を休止した。相次ぐ公的総合病院の透析休止に患者の間で不安が広がり、いわき市腎友会(豊田正勝会長、550人)などが関係機関に透析医療の確保を求める要請活動をする。

 労災病院によると、人工透析を担当する泌尿器科の常勤医3人が、派遣元の医大人事や個人的な事情で6月ごろまでに全員転出することになった。病院側は医師の派遣元をはじめ、複数の医大に働きかけたが後任の医師が見つからないため、4月から休診することにしたという。

 泌尿器科の入院患者は約20人、外来患者は約70人。休診後は本人の希望を聴きながら転院先などを決めるというが、深刻なのは1日おきに透析治療を受けている入院と外来の約40人だ。受け入れ先として民間施設はありそうだが糖尿病などの合併症を患っている人もおり、転院による治療環境の変化が病状に影響しないとは限らないという。

 総合磐城共立病院の外来透析休止も転出による医師不足が原因とあり、「置き去りにされる患者の気持ちをどう思うのか」と憤る患者もいる。

 同腎友会とともに要請活動に乗り出す県腎臓病患者連絡協議会(1800人)の渡辺修会長は「医師がいないから診療休止、とは不安を与えるばかり。後任医師を探すのが公的病院の務め。透析患者は治療環境の変化がストレスとなり、症状悪化も危惧(き・ぐ)される」として、労災病院に透析の早期再開を働きかける。

 同腎友会によると、昨年4月1日現在、いわき市内で透析が必要な患者は1千人超おり、労災病院も含めて市内に11ある医療施設の外来透析に通っているという。 (佐々木和彦)

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり