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【群馬】

受け入れ先 13回照会 救急搬送 県実態調査 照会中に出産事例も

2009年3月4日

 県は三日の県議会総務企画常任委員会で、医師不足を原因とする病院の「(患者)受け入れ拒否」など昨年一年間の救急搬送に関する実態調査の結果を公表した。深夜に自宅で吐血した高崎地区の男性や、早朝に車の追突事故に巻き込まれた太田地区の女児について、病院受け入れの照会に十三回もかかったケースがあったことが明らかになった。二人とも命に別条はなかった。 (中根政人)

 県消防保安課によると、吐血した男性は四十代で慢性アルコール依存症で腹痛を訴えていたが、病院側から「専門外」などの理由で受け入れを断られ、搬送開始までに一時間十五分かかった。女児は治療の緊急性が低い軽傷患者と判断されたほか、「医師不在」などの理由で事故現場に約一時間取り残された。

 これらの事例を含め病院受け入れの照会に十一回以上かかった重大な事例は、昨年一年間で八件あった。また、早朝に腹痛を起こした館林地区の二十代の女性が、病院の受け入れ照会に八回かかった事例もあった。この女性は妊娠しており、照会中に出産したという。

 同課のまとめでは、昨年一年間に搬送された救急患者(転院のための搬送を除く)は約六万一千六百人で、前年より約二千九百人減少した。病院の受け入れ態勢の強化に向けては「搬送の不要な通報は減少傾向にあり、緊急性の高い患者を迅速に搬送できるよう努めたい」としている。

 

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