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北朝鮮へ真空ポンプ迂回輸出 代行業者社長を書類送検
国際原子力機関(IAEA)が平成19年に北朝鮮の核関連施設の査察を行った際、日本製の真空ポンプが見つかった事件で、神奈川県警外事課などは2日、外為法違反(無許可輸出)容疑で、輸出元の輸出入代行業者「ナカノ・コーポレイシヨン」(東京都港区)の中野鴻社長(66)=横浜市港北区=を書類送検した。社長は「北朝鮮に行くという認識はあった」と容疑を認めているという。
調べでは、中野社長は平成15年7月17日ごろ、経済産業省の許可を受けず、核兵器の開発などに転用可能な民生品の輸出を規制した「キャッチオール規制」に該当する真空ポンプ2台など計8点(販売価格235万円)を台湾経由で、北朝鮮に輸出した疑い。
昨年のIAEAの査察で、核関連装置に転用された日本製の真空ポンプが発見され、県警が先月、ポンプを製造した機械装置メーカー(神奈川県相模原市)とナカノ・コーポレイシヨンなど数カ所を家宅捜索していた。
真空ポンプは遠心分離装置内を真空にし、ウラン濃縮の効果を上げるのに利用することができるという。
家宅捜索の際、中野社長は産経新聞の取材に対し、「北朝鮮に輸出されていることは全く知らなかった」と話していた。