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核兵器開発に利用可能、工作機械輸出容疑で4人逮捕

2009年3月4日12時37分

写真:ホーコス本社に家宅捜索に入る捜査員=4日午前8時50分、広島県福山市草戸町2丁目、松尾俊二撮影ホーコス本社に家宅捜索に入る捜査員=4日午前8時50分、広島県福山市草戸町2丁目、松尾俊二撮影

 核兵器の開発に転用できる工作機械を不正に輸出したとして、警視庁公安部と広島県警の合同捜査本部は4日、広島県福山市の工作機械メーカー「ホーコス」(菅田雅夫社長)の元海外営業課長代理、青山正彦容疑者(51)=同市=と社員3人を外為法違反(無許可輸出)の疑いで逮捕したと発表した。

 捜査本部によると、同社は04年11月と06年9月、高性能で輸出制限のある「マシニングセンター」(MC)と呼ばれる工作機械を、経済産業相の許可を得ずに韓国と中国の企業に計16台、輸出した疑いがある。4人は輸出業務の実務担当者とされる。MCはウラン濃縮に使われる遠心分離器の部品の製作が可能とされる。

 外為法は、一定以上の高精度な加工が可能な工作機械は、核兵器の開発や製造に利用される恐れがあるとして、輸出の際に経産相の許可を得るよう定めている。

 捜査本部は昨年7月に同社を家宅捜索。押収した資料の分析などで、輸出したMCが許可が必要な精度だったことを確認した。一方で、経産省や税関には性能を低く偽って申告し、許可を取る手続きを免れていたという。

 捜査本部は、同社が同じ手口の不正を長年にわたり続けていた疑いがあるとみている。今後、同社幹部が関与していたかどうか解明を進める。

 民間の信用調査機関によると、ホーコスは主に国内外の自動車メーカー向けに工作機械を製造・販売している。同社のホームページでは、従業員は665人、08年9月期の売上高は約203億円。

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