小沢代表:会見で辞任否定、検察を批判…公設秘書逮捕

2009年3月4日 11時21分 更新:3月4日 12時58分

秘書逮捕を受けて会見する小沢民主党代表。奥は鳩山党幹事長=民主党本部で2009年3月4日午前10時26分、山本晋撮影
秘書逮捕を受けて会見する小沢民主党代表。奥は鳩山党幹事長=民主党本部で2009年3月4日午前10時26分、山本晋撮影

 民主党の小沢一郎代表は4日午前、公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、党本部で記者会見した。小沢氏は「私自身何らやましいことはなく、秘書の行為は適法だ」として献金の違法性を否定。自らの進退についても「それによってどうこうとは考えていない」と述べ、代表を辞任しない考えを表明した。検察の強制捜査に対しては「衆院選が取りざたされている時期に異例の捜査が行われたのは、政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だ」と批判した。

 小沢氏は会見で、「このような捜査が行われれば国民の人権を守ることができない。民主主義を危うくする」と語り、全面対決する姿勢を示した。

 会見に先立つ党の緊急役員会で、執行部は「小沢氏は間違ったことをしておらず、責任をとる必要はない」として小沢氏の続投を支持する考えで一致した。党内の一部に出ていた辞任を求める声も、小沢氏の説明を受け当面は沈静化する見通し。しかし、捜査の進展や世論の反応次第では小沢氏が辞任に追い込まれる可能性もある。

 小沢氏は、政党支部が企業献金を受け入れる場合は合法だと指摘。大久保容疑者が企業献金と認識していたら政党支部で受領して問題にならなかったはずだとし、「政治団体からの寄付という認識だったから政治資金管理団体として受領したと報告を受けている。しごく当たり前のことだ」と語った。また脱法的な献金ではないかとの指摘にも、「どういう形でどういう所から入っているのか知るすべもない。(お金の出所は)せんさくしない」と述べる一方で、違法性が明らかになれば、献金を返却する意向を示した。

 また、ゼネコンからの多額の献金に関しては「その他の企業からも身に余る献金をいただいている。どこから受けても構わないが、収支をすべてオープンにし、国民が判断できる仕組みにするのが私の主張だ」と強調。「自民党と同じ体質」との指摘には「全く心外だ。私の『公開しろ』との主張を自民党はずっと嫌がってきた。公開していたら年金、医療、社会保険庁の問題など、もっと早く改善できていた」と反論した。

 小沢氏は緊急役員会の冒頭、「国民や議員の皆さんに心配や迷惑をかけたことをおわびしたい」と述べ、今後の党運営への協力を求めた。【田中成之】

 ◇政治資金規正法

 政治資金の授受方法について定め、政治団体に収支の公表を義務付けた法律。抜け道の多さから「ザル法」との批判がつきまとい、改正が繰り返された。00年以降は政治家個人の資金管理団体への企業献金が禁止されたが、政党側へは現在も認められており、政治家の多くは独自の政党支部を作って企業献金を集めている。大久保容疑者は西松建設からの献金と知りながら、小沢氏の資金管理団体の収支報告書に、同社OBが設立した政治団体から献金を受けたように装う虚偽記載をした疑いが持たれている。

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