2009年3月4日8時1分
直径30センチ前後あるオニヒトデ(下)の生息調査をするダイバーたち=徳島県牟岐町、牟岐千年サンゴの発掘隊提供
海中にそびえる巨大ハマサンゴ=徳島県牟岐町、牟岐千年サンゴの発掘隊提供
徳島県牟岐(むぎ)町沖の牟岐大島周辺でオニヒトデが大量発生し、サンゴの50%が食い荒らされる被害がでている。有名な巨大ハマサンゴに被害は及んでいないが、発掘隊では3月20日に一斉駆除を計画しており、応援のダイバーを募集している。
2月半ば、ダイバー8人が調査したところ、1人あたり平均11.5匹のオニヒトデを確認した。「大発生」の目安とされる10匹を上回った。被害が目立ち始めたのは昨年夏からだ。調査に参加した黒潮生物研究所(高知県大月町)は「ここ2、3年は冬場に水温が下がらず、15度以下で死滅するオニヒトデが越冬しているため」とみる。
元々、水温が低い牟岐大島周辺ではサンゴは年に1センチも成長しないとされる。入江にある高さ9メートルの巨大ハマサンゴは「千年サンゴ」とも呼ばれ、渡辺剛・北海道大講師(地球環境学)は「国内最大級で、世界でも最長寿クラス」という。
発掘隊事務局長の水上雅晴さん(36)は「調査や駆除を続け、希少なサンゴを守っていきたい」と話す。駆除は2人1組でサンゴに張り付いたオニヒトデを鉄ばさみで取っていく。問い合わせは発掘隊事務局の「貝の資料館・モラスコむぎ」(0884・72・2520)へ。(竹嶋芳明)