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【産経抄】3月4日
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お天道さまは気まぐれだ。2月までの記録的な暖冬がウソのように桃の節句の東京は、ことのほか冷えた。株価もこごえるような相場続きで、7000ドルの大台を割ったニューヨーク市場につられて東京市場も7000円割れ寸前まで売られた。
▼午後になって持ち直したのは、与謝野馨財務相が「必要以上の下げは看過できない」と発言したことも大きい。アナリストによると、株価対策にやっと日本政府も本腰をあげるのではないかとの期待感が市場に広がったからだという。
▼同じ言葉を麻生太郎首相が先に発していたらどうだったろう、という気がしないでもないが、米国発の大津波をわずかでも食い止めたのは素直に評価していい。問題はいかに具体的な対策を打ち出すかだ。期待が失望に変われば株価の底はたちまち抜けてしまう。
▼と、ここまで書いたところで、民主党の小沢一郎代表の公設秘書が東京地検に逮捕されたとの一報が入ってきた。民主党は「でっち上げの国策捜査だ」「陰謀だ」とハチの巣をつついたような大騒ぎだが、火のないところに煙は立つまい。
▼小沢氏の資金管理団体である「陸山会」は、普通の政治団体には不必要と思えるマンションを保有するなど、とかくの噂(うわさ)があった。この際、徹底的に膿(うみ)を出し切った方が、小沢氏にとっても古い政治からの脱却を掲げる民主党にとっても良いことではないか。
▼小紙では、連載「民主党解剖」で、小沢氏が拉致問題に関し、「カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろう」と発言していたことをすっぱ抜いた。記者会見嫌いな小沢氏には辛(つら)いだろうが、両方ともしっかりと説明していただきたい。それにしても政界の天気も一寸先は闇だ。