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ソニーの改革、サムスンとそっくり!?(下)

マーケティング中心に組織をスリム化

◆技術重視の経営からマーケティング中心へ

 中鉢社長に代表されるような技術畑出身の経営者を一線から退かせ、マーケティング能力に優れた経営者を前面に配置したのも、サムスン電子とよく似ている。

 2005年にソニーのエレクトロニクス部門を総括する社長に選任された中鉢社長は、これまで一貫して現場で開発に当たってきたエンジニア出身で、「技術のソニー」復活を目標として掲げた。中鉢氏は果敢な構造改革を中心とする米国式経営のストリンガー会長とは異なり、技術と開発者を重視するソニー固有の組織文化を守ってきた人物だ。

 しかし中鉢氏による技術重視の経営は、世界的な経済危機と同時に激しい試練にぶつかった。その代表的な事例が、画面が自動的に光を発するOLED(有機発光ダイオード)テレビだ。しかしソニーが世界で初めて開発したこのハイテク製品は、11インチモデルの生産費用が2000ドル(約19万5000円)に達し、採算が取れない。ストリンガー会長は技術畑出身の経営者を退かせる一方、自らと同じマーケティング能力に優れた4人の役員を抜てきした。ストリンガー会長はこの4人を「四銃士」と呼び、変化に対応するための強い意志を内外に示した。

◆改革に対し賛否両論

 ストリンガー会長による改革には賛否が分かれる。ウォールストリート・ジャーナルやCNBCなど米国のマスコミは「業績回復に向けた果敢な措置」と評価している。一方日本のマスコミは、ストリンガー会長が抜てきした経営陣を「ストリンガー・チルドレン」と皮肉っている。ストリンガー会長の改革は技術のソニーの基盤を揺るがしている、との指摘もある。

 サムスン経済研究所のキム・ジェユン常務はソニーの改革について、「今のような経済危機の中では、意志決定の構造を単純化して環境の変化に素早く対応することが重要だ。そのような点から、ソニーの危機対応策がサムスンと似てくるのは当然だ」と述べた。

チョ・ヒョンレ記者

ソン・ホチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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