「小沢秘書軍団の要だった」。政治資金規正法違反容疑で逮捕された大久保隆規容疑者(47)を知る民主党のベテラン秘書はこう語る。
小沢事務所に近い関係者によると、大久保容疑者は岩手県釜石市出身。平成3年の釜石市議選に30歳で初当選し、2期目途中の11年、自民、自由両党の推薦で同市長選に出馬した。1万1553票を獲得したが、1280票差で次点に泣いた。
小沢事務所に入ったのは落選後。当時を知る別の民主党国会議員秘書によると、政治家への野心は持ち続けていたが、「もう一度政治を勉強し直す」との意気込みで門をたたいた。
当初は私設秘書だったが、行動力と「小沢氏への忠誠心」(旧自由党関係者)で頭角を現し、議員会館に常駐する小沢氏の“腹心”として活躍。資金管理も担当し、「小沢氏が好む忠実なタイプの秘書だったので、難しい仕事も任せられていたのでは」(自民党関係者)との指摘もある。
自由党国会議員の元秘書によると、表に立つタイプではなかったが、20人近くいる秘書軍団の「お目付け役」で、「後輩秘書を厳しくしかることでも有名だった」と明かす。
関係者によると、4年ほど前からは東京を離れ、盛岡市の小沢氏の個人事務所に勤務することが増えていたという。民主党が県内で唯一小選挙区で勝利したことがない岩手2区の担当者として、衆院選の準備にあたっていた。
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