自民党議員が作る政党ポスターでも「麻生離れ」が進んでいる。内閣支持率が低迷する首相とのツーショット写真を敬遠。党内で首相退陣論が噴き出し、「麻生氏のもとで衆院選がある保証がない」とのためらいもあるようだ。
公選法は任期満了日(現衆院議員は9月10日)の半年前から、候補者個人の政治活動のためのポスター掲示を禁じている。多くの議員は3月には政治家同士のツーショット写真を載せた「演説会予告」などのポスターに切り替えるが、通常は自民党総裁の首相と撮影したものが多い。
だが今回、ある若手議員は「麻生さんがいつまで首相をやるか分からない。辞めたらポスターを作り直さなければいけない」と懸念する。ポスター作製の準備に入った閣僚は「後援者から『麻生首相を使ってはダメ』と迫られた」といい、知名度の高い女性閣僚か、地元の知事とのツーショット写真を使う考えだ。
関東選出の小泉チルドレンの一人は舛添厚生労働相の写真掲載を検討中。「麻生さんとのツーショットのポスターを張っていたら『あんなポスターを張るなら応援できない』と苦情がきた」と語る。
東京都選出議員では、都連会長の石原伸晃党幹事長代理が人気。小池百合子元防衛相とのツーショットにこだわる議員も少なくなく、ポスター人気度は「ポスト麻生」探しの動きとも連動しそうだ。(内田晃)