東京証券取引所は25日、転換社債(CB)の取引で3兆円の誤発注があったと発表した。売り、買いともにUBS証券の注文。同社によると3千万円の売買注文を出したはずが、UBS内のシステムの不具合で3兆円の注文に「変換」され、文字通りケタ違いの巨額取引となったという。ミスに気づいた東証は、取引を取り消した。
トラブルが起きたのは、ゲームソフト大手カプコンのCB。東証には現在62銘柄のCBが上場し、全体でも1日当たり数億円の取引規模にとどまっている。東証が金額の大きさから異常を発見して取引を取り消すとともに、他の投資家に影響が出ないようにするためカプコンのCBの取引を終日停止した。
東証でのCBの取引はもともと小規模で、売り手も買い手もUBSの顧客だったため、東証は「投資家への影響は限定的」としている。UBSは「関係者にご迷惑をおかけしました」と陳謝した。
東証は、みずほ証券がジェイコム株を大量誤発注した事件を機に、成立した取引の取り消しルールを新たに設けており、今回が初適用となった。