大牟田医師会は2日、管内の大牟田市とみやま市高田町で、患者を24時間受け入れている休日当番医の体制を、4月以降、午前9時から午後10時までの13時間に縮小すると発表した。小児科医不足と医師の高齢化が主な理由だという。「救急病院や市立総合病院と連携し、医療水準は維持する」としている。
医師会は1977年、休日の午前6時から翌日の午前6時まで、内科や外科、眼科の急患に対応する当番医制度を導入。2002年度から小児科が加わった。
医師会によると、小児科の利用は年4000件前後で全体の約3割を占めるが、専門医の不足に伴い当番の負担が重くなっているという。小児科当番医に参加する医療機関は05年度が27、08年度になると24に減り、09年度は22にまで減少する見通し。このうち開業医は市内に12人しかおらず、高齢化も進み、24時間診療体制の維持が困難になったという。
4月からの休日午後10時以降は救急病院の「大牟田天領病院」「米の山病院」「杉循環器科内科病院」「南大牟田病院」「ヨコクラ病院」が患者を受け付け、必要に応じて市立総合病院に転送する。救急医療担当の杉健三理事は「救急病院に小児科専門医が助言するなどして、親に不安を抱かせないようにしたい」と話している。
24時間の休日当番医制度は政令市や久留米市を除いてほとんどないという。蓮澤浩明会長は「熊本県荒尾市医師会などとも連携を図りながら、市立総合病院に開業医を派遣するセンター方式も検討していきたい」と述べた。
=2009/03/03付 西日本新聞朝刊=