佐藤克文さん (東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター准教授、海洋生物学)
佐藤克文さん
2008年3月30日放送 ハイテクな海洋動物学

ペンギンやアザラシ、ウミガメなどの海洋動物は、海の中でどのように活動しているのか? 直接見るのが難しく、また電波も届かない海中を移動する動物にハイテク機器を開発して取り付け、回収する研究が進んでいます。そこからは、「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」(光文社新書)の著者である佐藤さんたちのグループのように、教科書的な常識をくつがえすような発見が生まれてきました。 海洋動物研究の最先端と共に、生き物相手に右往左往したりと、面白いけど大変な研究の現場についてや、子供たちに動物研究の面白さをどう伝えてゆくか、といった話も聞いて行きます。


板倉 徹さん (和歌山県立医科大学附属病院長、脳神経外科)
板倉 徹さん
2008年3月23日放送 ラジオを聞けば、頭は良くなる?

板倉さんは脳神経外科の臨床の経験から、便利すぎる生活と視覚に頼りすぎる生活に対して、警鐘を鳴らす一方、「生活習慣で、脳を鍛えたり、認知症を予防するための方法」を考えてきました。読み書き計算や、よく散歩するなど色々なものがありますが、中でも板倉さんは音声だけのメディア、「ラジオ」に注目しています。ラジオを中心に、日常生活の中で脳を鍛えるちょっとした方法について聞いて行きます。


大前研一さん (経営コンサルタント、経済評論家、ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長)
大前研一さん
2008年3月9日放送 予測力を高める方法
2008年3月16日放送 財産を使い切って死ぬには

経営コンサルタントは情報を収集し、分析して将来を予測し、解決策を提案します。 日常生活で様々なことを予測して行きていく力を身につけるためのヒントを、そのノウハウの中に探ります。2回目は大前さんが最近提案している大前流の「心理経済学」について。巨額の個人金融資産を持つ日本人が、同時に将来への不安心理を抱えている状況をどうすればいいのか、日垣隆が迫ります。


高野進さん (日本陸上競技連盟強化委員長、東海大学准教授、スポーツ心理学)
高野進さん
2008年2月24日放送 もっと速く走る
2008年3月2日放送 誰でも伸ばせる運動能力

ロサンゼルス、ソウル、バルセロナと3つのオリンピックに陸上男子400メートルで続けて出場。日本記録保持者で、バルセロナでは日本人として64年ぶりに決勝に進出しました。 「より速く走るために考えてきたこと」=「走りの奥深さ」と共に、末續慎吾選手ら後輩の才能をどうやって見いだし、伸ばしてきたのか、指導者としての話も聞きます。2回目は、近著「走れ!ニッポン人」(文藝春秋)で日本人全員がアスリートになろう!と呼びかける高野さんに、日本の子供たちの運動能力、運動神経をどうやって伸ばしていったらいいのか、ご本人の子供の時の体験も交えて、聞いて行きます。


柴田明夫さん (丸紅経済研究所所長)
柴田明夫さん
2008年2月17日放送 エネルギー資源これからどうなる

2002年からおよそ5年間で4倍にもあがった原油価格。#G/$KF~$C$F1バレル=100ドルを記録しました。従来にない価格の高騰を予測していた柴田さんに、なぜ原油の値上がりは続いているのか?今後も続くのか?それはなぜなのか?そしてどうやって予測しているたのか?伺います。
そして、日々、食品や日用品の値上がりを伝えるニュースが流れる中、エネルギー資源を国外に頼らざるをえない日本はどうすればいいのか?考えます。


松永和紀さん (科学ライター)
松永和紀さん
2008年2月10日放送 松永和紀

食品の健康効果や安全性について情報はあふれていますが、正しい情報もウソの情報も、現時点では「科学的には未解明な」情報も含まれていて見分けにくく、「捏造番組」や「食品の偽装」を生み出しています。 情報・報道の氾濫の中、なぜメディアであやしい、あるいは偏った食品の情報が流れてしまうのか?普段の生活の中で、どうやって情報を見分ければよいのか? 「メディア・バイアス」や「食卓の安全学」などの著書がある松永さんと一緒に考えます。


岩男壽美子さん (慶應義塾大学名誉教授、社会心理学)
岩男壽美子さん
2008年2月3日放送 外国人犯罪者に日本はどう見えているのか

岩男さんは社会心理学者として「異文化コミュニケーション」を研究する一方で、国家公安委員もつとめてきました。そして、法務省と共同で外国人受刑者への世界でも類をみない大規模な意識調査を行い、「外国人犯罪者」(中公新書)にまとめました。 少子化で労働力不足が予想される日本社会は、異文化を持つ外国人を生活者として受け入れ、「共生社会」を築く必要がある一方、外国人の犯罪者は増え続けています。 きれいごとではない「多文化共生社会」と、安全・安心社会を両立させるにはどうすればいいのか、考えるためのヒントを伺います。


傳田光洋さん (資生堂ライフサイエンス研究センター主任研究員、皮膚の科学)
傳田光洋さん
2008年1月27日放送 皮膚は脳に「そっくり」だ

「皮膚」は垢の元であり、身体を包むだけの単なる「包装紙」だと一般には考えられてきました。しかし、最先端の研究では皮膚はセンサーでもあり、免疫やホルモンにも関係することもあり、脳内で神経伝達に関わる物質も見つかってきています。皮膚は「自分で感じ、考え、判断して行動の指示を出す」のではないかと傳田さんは考え、「第三の脳」というタイトルの本も出しています。 「考える皮膚」の研究から何がわかってくるのか、「肌荒れ」や「アトピー性皮膚炎」といった身近な現象から最先端へ迫ります。


野村総一郎さん (防衛医科大学校教授、精神医学)
野村総一郎さん
2008年1月20日放送 うつ病になる人、ならない人

増えているといわれ、社会的関心も高まっている「うつ病」ですが、「うつ病」と一口に言っても症状も原因も様々で、野村さんによると、簡単に「心のカゼ」と言い切れるものでもないようです。 まだわからないことも多い「うつ病」ですが、どんなタイプがあるのか? なりやすい人はいるのか?自分の力だけで治ることはあるのか?周りや社会のどういうサポートが必要なのか?予防や再発防止はできるのか? 適切に対処するためのアドバイスを伺います。


佐藤哲也さん (海洋研究開発機構地球シミュレータセンター長、プラズマ物理学)
佐藤哲也さん
2008年1月13日放送 どこまで未来は予測できるのか

横浜市にあるスーパーコンピューター「地球シミュレータ」。 1秒間に35兆8600億回という、少し前まで世界最速だった計算能力を生かし、地球温暖化などの気候変動など、気候や地殻、生態系といった地球全体に関わることだけでなく、自動車の衝突事故や新素材の開発予測なども手がけています。 欧米からも高く評価されているこの「地球シミュレータ」の出現で、佐藤さんは「シミュレーションに対する考えが変わり、予測が科学になった」と考えています。 最先端の「シミュレーション技術」とはどういうものなのか? 将来は社会科学や人間行動などにも応用できるのか? 科学の力で「未来はどこまで予測できるのか?」聞いてゆきます。


広田照幸さん (日本大学教授、教育社会学)
広田照幸さん
2008年1月6日放送 昔の子育ては本当によかったのか?

「教育改革」を議論するとき、少数の事件や過去の事例が恣意的に取り上げられ、「昔は良かった」という過去を美化する声もよく聞かれます。 広田さんは様々な観点から教育への考察を続けてきましたが、例えば、「昔は子供をちゃんとしつけていた。日本人のしつけは衰退してきている」という見方に疑問を持ち、統計や調査の分析から、必ずしもそうではないことを明らかにしてきました。 それでも、自分の子供への「しつけ」が十分か、不安になってしまう親たちへ、冷静になるための話を伺います。


藤澤伸介さん (跡見学園女子大学教授、教育心理学)
藤澤伸介さん
2007年12月31日放送 その場しのぎの勉強法

子供達の「学力低下」の原因を藤澤さんは「ごまかし勉強」にあると考えています。最初から勉強する範囲を「限定」して、暗記の材料を与えてもらい、試験の点数など「結果だけ」を重視するのが「ごまかし勉強」。一見点数はとれていても、実際には知識が身につかない、「その場しのぎ」の勉強です。 なぜ「ごまかし勉強」をしてしまうのか?本当に知識が身につく勉強とはどういうものなのか?どうしたら、「ごまかし」ではない本来の「勉強法」が、面白く、最終的には身について自分の力になるとわかってもらえるのか?等々聞いてゆきます。


山根一眞さん (ノンフィクション作家)
山根一眞さん
2007年12月16日放送 デジタル時代の取材術
2007年12月23日放送 ニッポンのモノ作りの底力

自然環境問題や日本の科学技術など様々な分野の取材、執筆やキャスター、シンポジウムのコーディネーターなど様々な活動を続けてきた山根さんですが、80年代半ばからモバイルやパソコンなどデジタル機器をいち早く取り入れ、仕事に生かしてきました。 その山根さんに16日は「デジタル時代の取材術、情報整理術」を語ってもらいます。 また23日は17年間続いた「メタルカラーの時代」の連載など日本の技術の現場の取材経験に基づいて、日本の「モノ作りの現状と未来」について聞いて行きます。


青沼陽一郎さん (ジャーナリスト)
青沼陽一郎さん
2007年12月9日放送 中国食品、本当に大丈夫?

食品や日用品、玩具など中国製品に不安を抱かせるニュースが最近よく入ってきます。その一方、例えば食品・食材についてはアメリカや中国など海外からの輸入に頼らざるをえないのが、自給率の低い日本の現状です。 青沼さんは「オウム裁判」や「池袋通り魔事件」などを取材してきましたが、「食」をテーマに世界各地の現場をこれまで取材していて、近く「食料植民地・ニッポン」(小学館)を刊行予定です。 その青沼さんに、ウナギや野菜などの生産現場や当局の検査・取締りの実情、そして「中国食品は本当に危険なのか?」聞いて行きます。


福岡伸一さん (青山学院大学教授、分子生物学)
福岡伸一さん
2007年11月18日放送 科学的な判断力を身につけるには
2007年11月25日放送 生きているとはどういうことか

「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)がベストセラーになっている福岡さん。分子生物学の研究と共に、教養課程で「科学リテラシー」を教えています。食品の「賞味期限」の偽装などが問題になっていますが、食物、食品のリスクを日常生活の中で考えるとき、「生物学」の知識とどう関連付ければいいのか、それをどう教えたらいいのか、考えます。そして福岡さんの授業の背景にある「生物学の歴史」や「生命への見方」を展開しているのが「生物と無生物の間」です。ベストセラーが生まれるまでの過程、内容の一端を福岡さんご自身の「言葉」で語ります。


左巻健男さん (同志社女子大学教授、理科教育)
左巻健男さん
2007年11月4日放送 理科を好きになるには

「水はなんにも知らないよ」等の著作で、「ニセ科学」批判にも取り組む左巻健男さん。子供たちに理科をどうやったら、面白く、興味を持つように教えることができるのか。長年の教壇での経験を生かし、左巻さんは同じことを考える教師仲間と一緒に、「検定外」の理科の教科書を世に問うてきました。
面白くて学びがいのある教科書はどうやったらできるのか?教師はどうやって理科を教えたらいいのか?これからでも遅くないから、と科学的素養を身につけたい大人の社会人にも役立つお話です。


岡田斗司夫さん (評論家、大阪芸術大学客員教授)
岡田斗司夫さん
2007年10月7日放送 究極のダイエット
2007年10月21日放送 経済効果をひねり出す

オタク文化論などで知られる岡田斗司夫さん。117キロあった体重を1年間で50キロ減らしたと聞けば、それだけで一見(一聴)に値します。 そのメモしてやせるダイエット法を紹介した「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)はベストセラーとなっています。 ダイエットといえば苦しい、大変なものと思いがちですが、なぜ楽しみながらできるのか?誰でも真似することができるのか?50キロやせたことで、岡田さんの人生にどんな変化が起きつつあるのか?これからリバウンドは本当にないのか?「太りたいけど太れない」という日垣さんが迫ります。 2回目は、引き続きダイエットについて、食事のメモを飽きずに取り続ける秘訣について聞く他、オタクと恋愛論、ニセ科学など様々な話題を繰り広げます。


青山潤さん (東京大学海洋研究所助教、ウナギの行動生態研究)
青山潤さん
2007年10月1日放送 ウナギに魅せられて

日本人には昔から馴染みのウナギ。消費量も世界でダントツです。 淡水魚と思われがちなウナギですが、実は海で生まれ、河川で成長する回遊魚。ではいったい、どこの海で生まれ、その後どうやって再び何千キロも離れた産卵場まで帰るのか?青山さんの所属する研究グループは、2年前にニホンウナギの産卵場所の特定に「ほぼ」成功し、現在も「そもそもなぜウナギは何千キロも回遊するのか?」という謎に迫るため研究を続けています。 謎の熱帯ウナギを捕獲するまでの命がけの旅をつづった「アフリカにょろり旅」(第23回講談社エッセイ賞受賞)でも知られる青山さんに、ウナギ研究への情熱、魅力、面白さを語ってもらいます。