岩永峯一元農水相
岩永氏は会見で借入金の利息は払っていないことも明らかにした。
政党支部や政治団体が党費や会費として金を受け取る場合は、5万円を超える寄付を受け取った場合と異なり、収支報告書には総額と人数を記載するのみでよく、金を払い込んだ人物や団体はわからなくなる。
岩永氏は朝日新聞の取材に対し今年1月27日、「(秀明会との間で)金が動いたことはない」と話し、複数の秘書も、秀明会からの献金や借り入れについて親族も含めて「その事実はなかった」と回答していた。代理人を務める弁護士には、計6千万円の入金記録や、岩永氏の長男が秀明会と借用書を交わしていた点についても触れたうえで経緯の説明を求めたが、弁護士は「寄付を受けたことはない」とだけ回答していた。
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神慈秀明会の田代隆一広報室長は16日、朝日新聞の取材に「会が個人にお金を貸すことはあり得ない。現に自民党滋賀県第4選挙区支部の領収書2通をいただいており、寄付として会計処理している」と岩永氏の見解に反論した。
また、岩永氏が秀明会に6千万円を返却しようとして拒まれたと主張している点について、田代室長は「07年6月に岩永氏の事務所の担当者が秀明会本部を訪れ、帰り際に封筒を置いていった。中には6千万円の残高がある通帳と印鑑があった」と明かした。岩永氏の事務所に問い合わせると、担当者は「借りた金だから返す」と話し、再三にわたって返却を申し入れたが、取り合ってもらえなかったため、秀明会は同11月に弁護士を通じて返却したという。さらに、今年1月にも、岩永氏の事務所の担当者が秀明会本部を訪れ、受付に現金3300万円が入った紙袋を置いていったため、これも返却した、と説明している。