岩永峯一元農水相
元農水相の岩永峯一衆院議員(67)=自民、滋賀4区=が宗教法人「神慈秀明会」(滋賀県甲賀市)から計6千万円を献金されながら政治資金収支報告書に記載していなかったと朝日新聞が報道した問題で、岩永氏は16日、国会内で記者会見し、事務所担当者が秀明会から小切手で6千万円を受け取り、政党支部名義の領収書を渡した事実を認めた。一方で、金は「(担当者)個人の借入金」と主張。「(献金隠しとする)報道はまったくの事実無根」としている。
滋賀県警のこれまでの調べでは、岩永氏側は03年と05年にそれぞれ3千万円ずつを小切手で秀明会から受け取り、03年分は「岩永みねいち君を励ます会」名義の口座に、05年分は岩永氏が代表を務めていた「自民党滋賀県第4選挙区支部」名義の口座に全額入金していた。いずれの団体の政治資金収支報告書にも3千万円の寄付に当たる記載はなかった。
岩永氏の説明によると、03年分については秀明会から3千万円の寄付の申し出があり、「(担当者が)とりあえず3千万円を小切手で受け取ったので政党支部の領収書を作成して渡した」と説明した。05年分も「3千万円を小切手で受け取り」「とりあえず政党支部名義の領収書を渡した」として、計6千万円の提供を受けた事実は認めた。
一方で、この資金が政治資金規正法上の報告義務が生じる秀明会からの寄付という点は否定した。03年分については「担当者が個人で借り入れることを申し出て、借用書の案を手渡した」と述べ、金は「私の関係する政治団体の会費として納め、その旨収支報告書に記載し報告した」と主張。05年分についても同様に「(担当者が)個人で借り入れた」と主張し、「政党支部の党費として納め、その旨収支報告書に記載」したと説明した。