福岡市東区で起きた飲酒運転による3児死亡事故で、業務上過失致死傷罪などに問われた元同市職員今林大(ふとし)被告(24)の控訴審が27日、福岡高裁で結審した。判決は5月15日の予定。弁護側が最終弁論で、被害者にも居眠り運転など過失があったと指摘したのに対し、閉廷後、被害者の代理人弁護士が反論のコメントを出した。
弁護側は、被害車両を運転していた3児の父大上哲央(あきお)さん(35)が、居眠り運転で後方の被告車両に気付くのが遅れ、「被害が拡大した」と指摘。被告の起訴内容変更や減刑などを求めた。
一方、大上さんの代理人弁護士は「極めて不十分な証拠に基づくもの。いたずらに被告の刑事責任を被害者に転嫁しようとするものにほかならず、被告が反省を深める上での障害にもなる」とコメントした。大上さんは前回公判で居眠り運転を否定している。
一審判決によると、今林被告は2006年8月、大上さん一家5人の車に追突、車ごと海中に転落させて3児を死亡させるなどした。福岡地裁は検察側が求めた危険運転致死傷罪ではなく、業務上過失致死傷と道交法違反の併合罪を適用し、懲役7年6月(求刑懲役25年)を言い渡した。
=2009/02/28付 西日本新聞朝刊=