2009年3月3日 17時52分 更新:3月3日 18時21分
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)から違法な企業献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部は3日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで同会の家宅捜索に乗り出した。
同法は政党側以外への企業献金を禁じている。特捜部は、小沢氏側が西松建設からの献金と知りながら、政治団体からの合法的寄付だったとの虚偽の内容を政治資金収支報告書に記載したと判断、会計責任者を逮捕した模様だ。
西松建設関係者によると、小沢氏側に献金を繰り返していたのは同社OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」(95年設立)と「未来産業研究会」(98年設立)の2つで、ともに06年末に解散した。両団体の収支報告書によると、虚偽記載の時効にかからない05~06年の間に、陸山会に700万円、小沢氏が代表を務める政党支部「民主党岩手県第4区総支部」に600万円を寄付している。
調べなどによると、新政治問題研究会など2団体の会費は、部課長クラス以上の一部社員が現金で支払い、後で会社が賞与に上乗せする形で補てんする仕組みだった。このため、2団体からの与野党議員や首長に対する献金は実質的には西松建設による「脱法献金」だったと指摘されていた。特捜部は、複数の与野党議員の中でも小沢氏側の受領額が最も多いことなどから、突出して悪質と判断した模様だ。