「振り込め詐欺撲滅月間」の2月、都内のひと月あたりの振り込め詐欺被害が統計を取り始めた05年1月以降で最少だったことが警視庁の調べで分かった。一方、被害者宅に現金を受け取りに行く「受け子」摘発のため編成したSIT(捜査1課特殊班)や機動捜査隊員による特殊部隊「ステルスチーム」の活躍などもあり、振り込め詐欺グループの逮捕者は受け子16人を含む74人で最多となった。
警視庁によると、2月の振り込め詐欺の認知件数は72件で、被害総額は約1億4000万円。昨年10月の前回の撲滅月間はそれぞれ193件、約3億8800万円で約64%減少した。手口別では、架空請求詐欺が前回の撲滅月間に比べ1割増となったのを除き、オレオレ詐欺(65%減)、還付金詐欺(71%減)などいずれも大幅減となった。
取り締まりでは、電話がかかってきた被害者宅などに犯人グループをおびき出す「だまされたふり作戦」が奏功。2月6日には、荒川区の女性(77)宅にあった息子を装い200万円を求める電話に対し、尾久署員が現金を受け取りに来た男3人を待ち伏せて逮捕した。ステルスチームも別の受け子3人を逮捕するなど、2月の逮捕者総数は前回の撲滅月間を9人上回った。【杉本修作、酒井祥宏】
毎日新聞 2009年3月3日 地方版