中国の十二支のブロンズ像2点を、故イブ・サンローラン氏のオークションで落札した中国人の会社社長が「代金の支払いを拒否する」と語った事について、サンローラン氏の共同オーナーは2日、その場合は自らが再び所有する考えを明らかにしました。
問題のブロンズ像は、19世紀、第2次アヘン戦争中に中国・清朝の庭園から略奪された十二支の動物像のうちの「ネズミ」と「ウサギ」で、先週、2点合わせておよそ35億円という高額で競り落とされたものです。
当初、落札者は明らかにされませんでしたが2日、福建省にあるオークション会社社長・蔡銘超氏が名乗り出て、代金の支払いを拒否する考えを明らかにしていました。
これについて、故サンローラン氏の美術品の共同オーナーで、競売の出品者であるピエール・ベルジェ氏は、支払いがない場合には「再び自宅に飾り、作品と一緒に暮らすまでだ」と述べました。
オークションを主催したクリスティーズ社の規則では、落札から1週間以内に代金を支払い、品物を引き取るよう定められていて、支払いがなければ今月末にも落札が無効になる可能性が指摘されています。
今回のオークションでは最高額を予想されたピカソの油絵に結局買い手がつきませんでしたが、これについてもベルジェ氏は「これからも自宅でずっと見られることになって幸せだ」と語っています。(03日03:53)