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英メディアにマイナス報道が目立つ理由

 昨年の世界的な金融危機以降、韓国経済を揺るがした外信報道の大半は英国系メディアが報じたものだった。昨年下期以降、韓国政府が歪曲(わいきょく)または悪意的な報道だと判断し、説明資料や反論する文章の掲載などで公式に対処した主な外信報道10件のうち7件が英国メディアだった。なぜ英国系メディアだけが韓国にマイナスの見方を示すのか。

 外信記者と直接接触した政府当局者は、まず英国系メディアの色彩を挙げる。英国系メディアは他国のメディアよりも批判的な論調が目立ち、新自由主義的な視点が強いという。

 そのため、過去に韓国政府が外国資本を規制しようという動きを見せたことについて、英国メディアは否定的な記憶を抱いている。特に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権期にローンスターなど外国資本に対して行われた税務調査や検察による捜査が反感を膨らませたとの分析が有力だ。企画財政部関係者は「新自由主義を信奉する英国系ジャーナリストは、輸出で生計を立てながら、外国人には門戸が閉ざされている韓国社会は矛盾だらけだと感じ、マイナスの印象を抱かざるを得ない」と指摘した。

 さらに韓国企業と政府が欧州から借り入れた債務が多いことも理由として挙げられる。2月末現在で韓国の政府・企業の対外債務(4800億ドル)のうち、欧州から借り入れた債務は47%を占める。このため、韓国が果たしてその借金を返せるかどうかに欧州メディアを代表する英国系メディアが敏感に反応しないわけがないとの見方だ。

 金融委関係者は「(金融持ち株会社の)ハナ金融持株の外国人持ち株比率のうち、約半分を欧州系資本が占めるように、韓国の金融機関に対する投資比率が高い」と指摘した。欧州系ファンドの韓国に対する関心が高いにもかかわらず、韓国経済に関する説明を聞くルートがなく、市中のうわさや誤った統計などを基に記事が書かれ、歪曲(わいきょく)された報道がなされるケースが多いというのが同関係者の分析だ。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

【ニュース特集】世界同時不況と韓国経済

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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