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外国メディアの根拠なき韓国経済危機説(上)

 「信用危機によるアジアの主要被害国」「世界最大の債権国(中国と日本)に挟まれた純債務国」「危機に陥る可能性からまだ脱していない」-。1日付英フィナンシャル・タイムズが「韓国の借金」という見出しで報じた内容だ。同紙の報道は2日の韓国金融市場に冷や水を浴びせかけた。米国と欧州を震源地とする金融不安が再び押し寄せる中、悪条件が重なる韓国経済を悲観する外信報道が韓国金融市場に対する不安を呼んでいる。

 同日のウォン相場は11年ぶりのウォン安水準となる1ドル=1570.30ウォンまで下落し、株式市場ではKOSPI指数が4.16%安の1018ポイントを付け、1000ポイント割れが目前に迫った。韓国政府当局者は「米国の金融不安、韓国国内の経済指標悪化とともに外国メディアによる相次ぐ否定的な報道が投資心理をさらに悪化させた」と分析した。

 韓国金融市場は昨年9月のリーマン・ブラザーズ破産直後、恐慌状態に陥るほど外信報道にやられたが、今回も外電による攻勢にさらされている。

 外国メディアによる否定的報道をめぐっては、韓国内部にも要因があるとの指摘が多い。「ミネルバ事件」以降もインターネットなどで絶えず流されるさまざまな危機説が外信報道のきっかけになっている。

◆再び始まったマイナス報道攻勢

 韓国経済を悲観する外信報道は先月末から再び表面化した。東欧発の金融危機で海外の投資家が新興国市場から相次いで投資資金を引き揚げ、短期対外債務が多い韓国が危機にさらされるというのが主な内容だ。

 英時事週刊誌エコノミストは先月26日付で「ドミノ理論」という見出しの記事を掲載し、「今年韓国では外貨準備高に対する短期対外債務の比率が102%を超え、新興国17カ国のうち南アフリカ、ハンガリーに次いで、ポーランドとともに通貨危機に陥る可能性が3番目に高い」と書いた。韓国を国家デフォルトの危機に陥った東欧のポーランド並みに評価したものだ。

 金融委員会は直ちに説明資料を示し、昨年末現在で短期対外債務(1511億ドル)は外貨準備高(2012億ドル)の75%で、今年に入りその比率は低下しており、報道は事実と異なると反発した。しかし、3日後の1日付フィナンシャル・タイムズは「韓国の流動対外債務(1年以下の短期対外債務と今年満期が到来する長期対外債務の合計)が1940億ドルに上り、2000億ドルという外貨準備高と比較すれば、アジアで最もぜい弱だ」と再び危機説を伝えた。

 これに対し、企画財政部は記者会見を開き、「全ての対外債務が繰り延べられない差悪の状況を仮定して記事化したものだ」と反論した。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

【ニュース特集】世界同時不況と韓国経済

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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