三月の声を聞くと、どことなく心が浮き立つような気がする。空気や空の様子も春めいた感じに映る。各地で雛(ひな)祭りの行事も始まった。桜のシーズンまでは少し間があるものの、春本番に向けて季節は一気に走りだす。
社会情勢は深刻な不況に変わりはないが、「景気は気から」という側面もある。気持ちだけでも明るく、前向きにしていきたいが、難局打開に対する政治の状況は停滞感が強まるばかりである。
麻生政権は支持率の悪化が著しく、回復の兆しは見えない。自民党内では二〇〇九年度予算案の衆院通過を待ち受けていたかのように、倒閣の動きさえ顕在化してきた。
麻生太郎首相の求心力低下は目を覆うばかりだ。巻き返しを図るには衆院の解散・総選挙に打って出て、国民の信任を得るしかないのは分かっているはずだが、支持率低迷で決断できないようだ。
要するに「立ち往生」の状態ではないか。このままいけば「立ち枯れ」になる恐れもあろう。麻生首相の悩みの深さは想像できるが、不況にあえぐ国民の存在は視野にあるだろうか。
世界的な経済危機の中で、日本は立ち往生している。立ち枯れを防ぎ、再生への確かな歩みを進めるには政治の強い力が欠かせない。季節と同じように、国民は景気にも春の訪れを待ちわびている。