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調査研究コーナー特集記事 富士T-1A/B研究 新 95-5803 59/12/10
小牧基地の写真 |
○ T1F2(T-1A) 3号機の初期の写真
富士T1F2の3号機95-5803は、記録によれば1959年3月に航空自衛隊へ引き渡されました。その年の12月にF-86Dなどの取材で小牧基地を訪れた戸田さんが、たまたま岐阜飛行場の拡張工事中のため小牧へ来ていた実験航空隊の3号機を撮影しました。貴重な写真です。
水平尾翼の下面から胴体にびっしりとボーテックスジェネレーターが打たれています。尾翼のバフェッティング防止対策として取り付けられているノースアメリカンF-86Dの尾部そっくりです。
世傑114富士T-1によれば、内藤子生技術部長が映画超音ジェット機で昇降舵に発生する衝撃波による舵の逆効きからヒントを得て、水平尾翼の後退角(35.5°)を主翼(25°)よりも大きくして衝撃波の発生を遅らせたということですが、このボーテックスジェネレーターについては解説が見当たりません。測定の結果
は必要なしと判断されたものと思います。
6号機までの量産試験機でさまざまな試行錯誤が行われていた一例でしょう。
○ 続 090207番自衛隊の対応について メール到着順
・ T.N.さんから
油圧サーボで動く動翼は風でばたつくことはありません。油のダンピング効果で徐々には動きますが、ヒンジに影響を与えるような一気に動くことはありません。したがって、フレンドシップなどの人力のみで動くものとは基本的に違います。人力操縦機に装備されている動翼をロックするためのガストロックが油圧で作動する動翼にはありません。とい言うより必要がないからです。
F15Jのラダーが左右反対に動くのも同じ方向に動くのも、風任せです。左右のラダーが機械的にリンクされていなければ、不思議なことではありません。主翼のエルロンが左翼も右翼も下がっている場合もあります。人力操縦機では考えられない現象ですが。
・ H.O.さんから
090207番の日替わりメモ読みました。自分の考えとしては、自衛隊の対応は市役所や民間会社と同じだな、です。佐伯さんの自衛隊の対応3分類は、良く分かります。
私もサラリーマンであり、会社では管理部門のスタッフとして働いています。3に近い対応を心がけていますが、対応が苦しい事案や、またかよ!と感じる事案は、2に近くなってしまいますね。社内なので誠実に対応しないと、後が面倒になりますが。
自衛隊も、いろいろ大変でしょうが広報の方には国民側に立っての対応を望みます。看板他の間違いが、現場の士気低下でないことを祈ります。
・ ヤマトンチュさんから
インターネット航空雑誌ヒコーキ雲はなかなか興味深い記載が多いので楽しませてもらっています。自衛隊の指摘事項のことで個人的に思ったことを書かせてもらいます。
間違っていることや疑問点について問うということは全く問題無いとは思いますが、その内容が非常に細かいですね。
全国民レベルに対しての簡単な説明なので、多少の間違い(誤差)程度なら一般人より少し知識があると思っている私の場合なら笑ってすませる範囲です。佐伯さんにとっては許せない範囲なのでしょうね。
それよりも、書き込みを読んでいると何となく間違い探しというか、重箱の隅を・・・というイメージがあり、あまりよい印象を受けません。しかも、何度も問い合わせていますね。 一度問い合わせた後の反応をみればだいたいそれで相手の出方がわかるような気がしますが。
また、そのやり取りについての書き込みです。 相手の反応が良くないからといってそれの批判を書き込むのはどうかと思います。相手(この場合は自衛隊ですが)にもそれなりの理由があると思いますし、質問に対してその回答内容を記入する程度にしたほうがよいのではとも思います。誹謗中傷的とも思える記述内容も見受けられます。
それからF-15のラダーの件ですが、その点に関しては私も仕事柄ある程度は知っています。結論から言わせてもらえば回答どうりで心配無用です。YS-11など昔の人力の機体なら損傷防止のために通称「翼挟み」という物で固定しますが、油圧アクチュエーターが付いている機体では、それがダンパーの役割をしていて、多少の風では全く影響ありません。
水平に取り付いているエルロン、エレベーター、スタビライザー等の場合は自重で下がる方向に時間とともに動きますが、垂直に取り付いているラダーの場合は通常なら風の影響で片側に向く場合が多いのですが、風が無い時にはケースバイケースで傾くことがあり、左右逆に傾いても全く不思議な現象では無いと思います。
エンジンを停止している状態では、油圧がかかっていないためと停止時にロック機構などもありませんからあのようになります。手で押しても動きます。油圧がなくなっても、シリンダー内には油が残っていてますから、ゆらゆらゆれることはありません。手で押しても、ぐ〜っと力をいれないと動きません。フラップも同じです。垂れ下がるのも、じわーっとゆっくりと下がっていきます。風でばたばた動くことはありません。
(では、誰かが力で押してこのようにしたのですか? 手を広げて歓迎の意を表したのですか? 佐伯) |
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佐伯から : ご三人の意見、ありがたく且つ反省しながら読みました。 ヤマトンチュさんの「誹謗中傷的」というお言葉は謙虚に受け止めなければならないと思っています。ただ「重箱の隅」については、たかが説明板の小さなミスと笑って通り過ぎるという心境にならない人も多いのです。例えば090206番のT.T.さんの北部方面飛行隊指摘の投稿などの例でわかります。私もその一人です。
自分のお金で作って自分だけが見るのならいい加減な記述でも結構です。しかし、国民に広く公開するという前提では常に緊張感をもって周到な検討を行うべきであり、気付いた誤りは直ちに正すべきです。それが広報というものの基礎中の基礎ではないでしょうか。多少のミスは許されるというのなら官公庁でも企業でも広報は成り立ちません。
航空機の事故原因の中には、常識では考えられなかった、信じられないような小さな重箱の隅が金属疲労や腐食につながっていたというようなことが報じられます。広報にも通じることだと思います。
以上、かたいことを申しあげて大変失礼しました。お口直しに昨日のNHK教育テレビでやっていた全国短歌大会での茨城県の女性の句を紹介しておきます。
国道の 左右にながく 基地みえて カーナビ画面の 空白つづく
お嬢さんの結婚式のために沖縄へ行き、嘉手納基地を通り過ぎる時に浮かんだそうです。
声に出して読んでください。カーナビ以下の文句が実にいいし、意味深ですね。皆さんにも経験がありませんか。