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「銀の鬼」創作秘話3 お菓子の家のモデル 

いや〜オーバーなタイトルですねえ、秘話というほどのものじゃないんですがね…。
十年さんの“お菓子の家”は本当にあった建物を描いたのです、というお話です。

私は京都市内の観光名所にはあまり興味がなく、ごく普通の街中をぶらぶらするのが好きなんです。
和風と洋風が混ざりあって独特の趣を持つ家やお店などを見つけた時に思います。
”おお、これが京都ぞ!”と。

ある素敵な美容室を見つけた時はかなり感動しました。
それは京都らしい黒塗りの壁の和風建築の小さな店だったんですが、
黒い看板にひらがなで…

ぴんく

と、ピンク色で書かれていました。横に小さく”美容室”と添えて。
もし下手なやり方をすれば悪趣味にもなりかねない、ミスマッチの見事な成功例だと思いました。
京都の粋なセンスを見せてもらった気がしました。

あ、十年の”お菓子の家”のモデルとなった建物の話でしたね。
そうです、その建物には、美容室ぴんくを見つけてから程なく出会いました。
ミントグリーンの壁、さりげない洋風の玄関ポーチ、二つの窓…。
冬だったので薔薇はありませんでしたが、初夏であればもしかしたら、
砂糖漬けチェリーのような薔薇が咲いていたのかもしれませんね。
でもその看板には意外な名称が書かれていました。

○○○○保健所

なんと素敵な保健所だったでしょう!
多分、分室だったのでしょうね。小さな小さな保健所でした。
そこにも何だか京都らしさが、普通の京都らしさが溢れてるようで、私はすごく感動したものです。

そうなんです。
十年の“お菓子の家”は、京都で出会った素敵な保健所だったんです。
…でも木造だったから、今はもうないでしょうね…。
十年の家のほうは、しぶとくしぶとく頑張ってますけどね。

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皆様、コメントをありがとう!
確かに十年のお菓子の家に住んでみたいものですよね〜。
でも犯罪が多くなってきた今日では、住みたいと言うより、
ディズニーランドのようにパーク内にさりげなくアトラクションとして存在してればなあ…なんて夢を見たりします。すごくすごく贅沢な夢ですよね。
でも夢見るのは楽しいです〜。

[ 2009/03/02 21:58 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

「お幻さま」の本の件です 

「お幻さま」についてのご質問、ありがとうございました。

実は2年ほど前に、「お幻さま」や「悪徳の栄え」を復刊してくださるというお話を
ある出版社様からいただいたのですが、私としてはまだその時期ではないと考えました。
もちろんどれも好きな作品ではありますが、正直言って、まだ冷静には見られないのです。

私の旧漫画家時代は、「銀の鬼」でエネルギーを使い果たしてしまったような気がしています。
そして「銀の鬼」は本当はまだ終わってないと、心の底では思っていたのでしょう。
もちろんそれ以降の作品も、その時は全力で描いたつもりです。
でもやはり、それから三作で描くのをやめてしまいました。
もっと力をつけるために…。


そして今は電子出版の世界で「銀の鬼」の続編を描かせていただいております。
大変幸せなことだと感謝する毎日です。


そういうわけで「お幻さま」は、今まだ中古本のみです。
私に著作権料が入るようにとまで考えてくださって、本当に感激で胸が一杯です。
お気持ちは大変ありがたくいただきました。
私のブログを見つけて訪問してくださったことを嬉しく思います。


皆様、いつも温かいコメントをありがとうございます。元気をいただいております。
[ 2009/03/02 03:31 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

儚げな鬼 

ある方がおっしゃってくださいました。
銀色が幻想的で儚げで、十年には合っているという意味のことを。
本当はもっと長くて素敵な文章で、私だけ読ませていただくのがもったいないですが。
ありがとうございました。


私は…鬼は”恐怖と悪”の象徴で、白い雪は”純粋な愛”のイメージだと感じ、
「白い鬼」というように正反対の言葉を合わせることで、実に鬼らしくない鬼をつくろうとしたのでした。
だから「白」にこだわったんです。

でも、そうですよね、雪には”儚げ”なムードもありますよね。
儚げな鬼…というイメージは、なんて十年に合っているのでしょう。
それに考えてみれば、愛もまた儚げなものかもしれませんしね…。
だからこそ皆が求めてやまない尊いものなのでしょう。


幻想的で儚げ…という色は、確かに銀かもしれませんね。

[ 2009/03/02 01:03 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

酒嫌いの十年 

前項目の「銀の鬼」創作秘話は、皆様のお気に召していただけたようで嬉しく思います。

丹後まで行ったのは、大江山の酒天童子伝説について調べるためでした。
神便鬼毒酒による鬼退治はあまりにも有名ですよね。

その伝説から私は考えました。
退治されてしまったのは酒好きな鬼だけだったのではないか?
そこにもし、酒に興味がない甘党の鬼がいたとしたら、逃げ延びたのではないかしら?
そして今でも生き続けているかもしれない…と。

それが島影十年なんです。
彼のその後は、いやがうえにも甘党になったでしょうね。
お酒など一滴も口にしなかったでしょうね。
甘党だったおかげで命が助かったんですから、甘党万歳!ってな気持ちだったでしょうね。
…まあ、その大好きなお菓子の中に鬼毒酒が仕込まれる未来が来るまでは…ね。

えっ…青い鬼?
彼は甘辛両刀使いだったんでしょうねえ。
お餅やアメをつまみながら、お酒(鬼毒酒)をちびちびやっていたら、仮死状態になってしまったのじゃないかしら?
それで十年が担いで関東まで逃げて来たのでしょうね。
鬼が本気出せば、まあ一晩で着いちゃったでしょう。
それでもやっぱ蘇生しなかったので、青い鬼を野原にでも埋めておいたんでしょう。
そこがその後何となく墓地になっていった…と。(いい加減ですねえ〜〜〜)


-続く-

嘘かも

[ 2009/03/01 19:51 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

雪の鬼 

以前掲示板に書いたことがあるのですが、「銀の鬼」は最初「白い鬼」だったんです。

でも…「白」という色がいろんな問題を含んでいたようで避けることになり、「銀」に決まりました。

なぜ「白」にこだわったかというと、十年のイメージは雪の中から生まれたからでした。

29歳の終わり頃、次は鬼作品を描こうと決め、京都の奥の西舞鶴まで資料を探しに行った時のにわか雪の中から…。

それは何分間か目の前が白一色になった程でしたが、やがてスッと消えてしまいました。雨に変化することもなしに。一瞬の大雪という感じでした。

そこで確かに私は”何者か”の存在を感じました。

孤独な自分が生み出した幻想なのかもしれませんが…。

とにかくそれが島影十年創作の原点です。



…あれから23年です。

私はまだ、その雪の中の何者かの謎を解けずにいます。それが私の「銀の鬼」です。

このブログタイトルを「雪が降る」とした理由も、もうお分かりですよね?



続編の構想もだんだん形作られてきました。

もうすぐ描き始めるつもりです。


[ 2009/03/01 01:38 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)
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プロフィール

Author:茶木ひろみ
(本名は現在非公開とさせてください)
1956年4月16日牡羊座
兵庫県神戸市生まれ
コーヒーとバタートーストとチョコレートケーキと麺類が好き。

職業は謎の漫画家。
幼少の頃から世界は恐怖と愛でできていると感じ、その矛盾を受け入れる生き方を続けている。
現在も描き続けている「銀の鬼」シリーズは、その矛盾がテーマとなっている。

ピアフやアダモをBGMに原稿を描くのが最高の幸せ。

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