一刻も早い経済対策発動を
公明新聞:2009年3月2日
税制関連法案の早期成立にも全力
予算案の衆院通過
2009年度予算政府案と、税制改正関連法案など予算関連4法案が2月27日、衆院本会議で与党の賛成多数で可決、参院に送られた。予算案は衆院通過後30日以内に参院が議決しない場合に自然成立するとの憲法の規定により、年度内成立が確定した。総額75兆円規模の景気対策を切れ目なく実行していく上で重要なハードルを、まずは乗り越えたといえよう。
09年度予算・関連法案の経済対策の規模は約37兆円。出産育児一時金の42万円への増額、奨学金貸与者の115万人への拡大(5万6000人増)、住宅減税・環境対応車減税の拡充などの生活支援策をはじめ、非正規労働者への雇用保険の適用拡大や雇用保険料の引き下げ、中小企業の法人軽減税率の引き下げ、雇用創出のための地方交付税の1兆円増額などが盛り込まれている。
いずれも、08年度第1次、第2次補正予算と合わせ、速やかに実行に移すことで、個々の政策が連動し、相乗効果を発揮して、急速な景気悪化のブレーキになると期待されている。
予算案の衆院通過を受け、公明党の太田昭宏代表が指摘したように、「一刻も早く予算のすべての成立に力を注ぐ」ことが今後の重要課題といえる。
定額給付金や子育て応援特別手当、高速道路料金の大幅引き下げなど、第2次補正予算に盛り込まれた各種施策は、財源の裏付けとなる関連法案が、ようやく4日の参院本会議で採決され、同日の衆院本会議で再可決・成立する見通しになった。1月27日の2次補正成立から1カ月以上も遅らせた野党の責任はあまりにも重い。
過去最大規模の住宅ローン減税などを盛り込んだ税制関連法案についても、参院で民主党など野党が無用に審議を引き延ばし、「60日ルール」を使わざるを得なくなった場合、成立は4月末までずれ込んでしまう。
金融システムの機能不全の防止や企業への公的資金投入、雇用創出に向けた取り組みなど、市場や企業に対する政治の積極的な関与・協力が今ほど求められている時はない。政治が結束し、政策を総動員してこの難局を乗り越えるべきである。野党には、「政局第一」を排した、賢明かつ迅速な対応を改めて要求したい。
政局優先の民主党
だが残念なことに、「民主党は与党内が浮足立つことを半ば期待しつつ09年度予算案の年度内成立を容認、『春解散』を誘う戦術を鮮明にしている」(2月26日付「日経」)のが実際のようだ。10年前、わが国が金融危機の淵にあった時に、野党第1党の民主党が政局を優先し、金融機関に公的資金を投入する金融早期健全化法に反対したのと本質は変わっていない。
公明党は、75兆円規模の景気対策が効果を発揮するよう、09年度予算・関連法案の早期成立に全力を挙げるとともに、この年度末にかけて、企業の資金繰りが滞らないよう、一層の支援策を講じていく決意だ。
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