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最終更新:2009年3月2日(月) 19時56分

福岡こども病院移転、市長ら刑事告発

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 福岡市で、九州唯一の小児専門病院の移転計画が進められています。ところが、子どもたちの親たちや専門の医師たちが強く反発していて、2日は市長が刑事告発されました。なぜ、このような事態となっているのでしょうか。

 「福岡市は子供の命を守れ!福岡市は現場の声を聞け!」

 福岡市で巻き起こっている、こども病院移転反対の声。2日は市民団体が、福岡市長らを刑事告発する事態に発展しています。

 九州唯一の小児専門の医療施設「福岡市立こども病院」は市の中心部にありますが、容体の変化が命に関わる子ども多く、親たちは現在地での建て替えを望んでいました。

 「皆さんが、一番いい理想の場所は現在地でしょう。それは分かります。そこを我々が一顧だにせず、最初に結論ありきで(人工島に)決めているわけではない」(福岡市 吉田宏市長)

 「この子たちをどうするんですか。それを私たちは聞きたい」(患者の母親)

 福岡市は、現地で建て替えるには128億円もかかると説明しました。しかし、実は福岡市が委託したコンサルタント会社は、85億円あまりと試算していたことが、去年7月明らかになったのです。

 引き上げの理由について、福岡市はゼネコン3社に聞き取りしたところ、試算の1.5倍くらいかかると回答があったと説明しています。しかし、聴き取りメモは捨てたとして、この半年間詳細は明らかにしていません。

 「問題ないって、どこが問題ないんですか?」(福岡市 吉田宏市長・去年7月)

 「(Q.ゼネコン3社はご存知ですか?)知りません」(今年1月)

 市民団体は、メモを捨てたなら刑法の公文書毀棄罪にあたると、2日、吉田市長ら4人を福岡地検に刑事告発しました。

 「何をヒアリングし、何を破棄したのか。それが明らかにされない限り、人工島移転は根本から覆される」(市長を告発した脇義重さん)

 刑法は公文書を捨てた場合、最高で懲役7年の刑事罰を定めていて、最高裁は「公務員が職務上作成したものは、メモも公文書にあたる」との判断を示していますが、福岡市はこれまで「公文書ではない」という答弁を繰り返しています。

 「メモは(職員)個人の備忘録として作成。公文書には該当せず、公文書を廃棄したものではない」(福岡市副市長)

 2日も福岡市長は、法的な問題はないと考えているとのコメントを出しました。

 こども病院の移転先は、福岡市の第3セクターが銀行からの借金で博多湾を埋め立てた人工島です。福岡市は先週、第3セクターに44億円あまりを支払う土地の売買契約を結びました。

 しかし、出産時に事故が起きた場合、子どもを送り込む立場の福岡市内の産科開業医は、9割が人工島はアクセスが悪く、緊急時に間に合わないなどとして反対しています。

 2日は、弁護士グループも抗議に訪れました。

 「これは民主主義の、地方自治の基本となる市民の声を無視し、行政の説明責任を放棄した暴挙であって、絶対に許すことができない」(市民会議代表 羽田野節夫弁護士)

 民主党推薦の福岡市長は2年前、自民党の現職を破って初当選しましたが、こども病院の移転見直しを公約にしていただけに、市民の反発は収まりそうにありません。(02日18:13)



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