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ここから本文エリア 福山市で不登校を考えるセミナー2009年03月02日
不登校や集団生活になじみにくい子どもたちに対して家庭や学校ができることを考える教育セミナーが、福山市霞町1丁目のまなびの館ローズコムで開かれた。広島市中区に相談室を置くNPO法人星槎(せい・さ)教育研究所の主催。保護者や小中学校の教員ら約30人が参加して講演などに聴き入っていた。福山市のNPO法人の代表者らを交えた質疑応答や個別相談もあった。 広島市で不登校や引きこもりなどから自立した生活に向けてのサポートに取り組んでいる「発達支援こころ」の代表で、作業療法士の佐伯勝規さん(47)が講演。「不登校の状態をどうするかということよりも、なぜ不登校になったのかを考えることが大切だ」と指摘。対処方法として食事や睡眠をきちんととって生活のリズムを整えることなどをあげて「子どもの反応で考えていることを察するためコミュニケーションをとるように努めなければならない」と呼びかけた。 参加した教員からは「子どもを学校に行かせたいという親に待ちの姿勢を理解してもらうにはどうすればいいのか」との質問があった。佐伯さんは「待ちの姿勢は何もしないのではなく、その子どもに合ったやり方で変化を待つこと。言葉をかけて一緒に何かをするアプローチを続けることが大切だ」と強調した。「別教室に登校している子どもが勉強するようになるには」との問いには「その場でできることを拡大し、その延長線上にクラスで学ぶことがあると考えていいのではないか」と答えていた。 学校と家庭の連携を図る方法についての質問もあった。福山市で不登校や引きこもりなどの問題に取り組んでいる自由館の福井一仁代表(52)は「中立の立場の人が学校と家庭の間に入ることが最善の方法。子どもだけでなく、母親もしんどいのが実情で、子どもにストレスをはき出すようになって余計に関係が悪化するケースがある。母親を支える人が必要だ」と話していた。(松尾俊二)
マイタウン広島
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