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社員と対話しないリーダーを見過ごすな

社員と対話しないリーダーを見過ごすな
"社内のほぼ中央に設置された作業スペース。社員が頻繁に通るためコミュニケーションを取りやすい"
 職場には常に何らかの問題がある。若手社員のやる気がない、目標が達成できないなどさまざまだが、その多くは社員同士のコミュニケーション不足が引き起こすものだ。

 三菱総合研究所とNTTレゾナントがサラリーマンに対して実施した調査(2006年)によると、約4分の1が「社内コミュニケーションが取れていない」と回答している。中でも「部署を超えた社員同士のコミュニケーション」を不足に感じる回答が6割を超えたほか、「同部署の上司と部下のコミュニケーション」の不足は4割だった。しかし、コミュニケーションの重要性は感じつつも、具体的な改善方法が見つからないのが現状である。

 オフィスのデザイン構築などを手掛けるコクヨオフィスシステム(KOS)は、顧客に対してだけでなく、自社においても常にワークスタイルの変革に取り組んできた。特にこだわるのがコミュニケーションの活性化である。その取り組みはオフィスを見れば一目瞭然だ。

 本社のある「霞が関ライブオフィス」は、個人の座席を設けないフリーアドレスを採用し社員の移動を自由にするほか、広さを十分確保したロッカールーム、オフィス中央にあるバーカウンターのような作業スペースなど、コミュニケーションを活発にするための仕掛けが至るところに施されている。視界をさえぎる柱や高い本棚などがないため約800坪のオフィス内の見通しは良く、誰がどこにいるかすぐに発見できる。会議室も周囲に開かれているため、いつでも飛び入り参加が可能だという。同社の取締役兼常務執行役員の黒田英邦氏は「当社自身が働き方の実験場になることで、顧客の課題を解決できる先進的なアイデアを提供できるようになる」と胸を張る。実際、当オフィスには半年で5000人もの見学者が訪れ、職場改善の参考にしているようだ。

●コミュニケーションを可視化する

 このように率先して業務改革に取り組むKOSでは、多くの企業に見られるコミュニケーション上の問題はないかに思われた。しかしながら、リーダーと部下のコミュニケーション不足といった同様の課題は存在した。そこで取り組んだのが、社員同士のコミュニケーションを可視化し組織が抱える問題点をあぶり出すことだった。日立製作所が開発する「ビジネス顕微鏡」と呼ぶシステムを用いて、コミュニケーションを可視化し定量的に分析した。

 同システムは、名札型の端末に内蔵した赤外線センサーにより、装着者同士の対面時間および活動状況を検出できる。そのデータが社員のコミュニケーション量を表す数値となる。測定データをサーバに集約、分析し、社員同士のコミュニケーションの頻度や組織を構成する社員の相関関係などを浮かび上がらせる。従来は職場のコミュニケーション状況を把握したい場合、社員へのアンケート調査が主だった。「アンケートだと回答者の意識や感覚に左右されたり、定性的なデータになってしまう。ビジネス顕微鏡を用いれば、客観的かつ定量的なデータを大量に取得できる」と日立ハイテクノロジーズの経営戦略本部 ビジネス顕微鏡グループで部長代理を務める石井恭子氏は説明する。

●リーダーがコミュニケーションのボトルネックに

 KOSは2008年5月から3カ月の間、調査対象となる社員83人(営業37人、開発31人、新規プロジェクト12人、リーダー3人)にビジネス顕微鏡を首からぶらさげさせて、業務時間中の行動を追跡した。調査開始から1カ月後、これまでの自分自身のデータを振り返り、チームごとのワークショップで結果を分析した。ワークショップでは忌憚(きたん)ない意見を出させるために、上長は参加せず、若手を中心としたメンバーと外部から日立ハイテクのコンサルタントが加わり議論した。

 分析結果からはさまざまな課題が浮き彫りになった。参加した社員の多くはコミュニケーションが十分取れているという自負があったが、実際には「会議の場だけでそれ以外は会話しない」「自分が一方的に話していただけでコミュニケーションが成り立っていない」といった事実がデータから導き出された。チームリーダーや新規プロジェクトの推進役など本来ならば組織のハブになるべき人なのに、社員との対話が少ないという結果も出た。

 コミュニケーションを可視化することで組織の問題点に気付き、組織目標を達成するためにはメンバー同士のコミュニケーションが不可欠だと参加者たちは改めて認識した。「意識的に挨拶するようになったほか、チーム会議やランチミーティングを積極的に行うようになった」と黒田氏は話す。リーダーの意識変革にもつながった。ワークショップではリーダーから「メンバー間のコミュニケーションを自分が阻害しているかもしれない」「中堅層の役割を明確にする必要を感じた」などの声が上がった。

 コミュニケーションの量が明らかになったことで、業務の度合いも把握できるようになった。例えば通常の新入社員であれば、仕事は少なくほかの社員とのかかわりも薄いはずだが、抽出したデータを見ると部門を越えてさまざまな社員からのコミュニケーションが集中していた新入社員がいた。話を聞くと明らかにオーバーワークの状態だったという。そこで業務内容を確認し、役割に応じた適切な仕事量に見直した。黒田氏は「今後はこのデータを配置転換や人事異動など経営判断の材料に生かしていきたい」と述べた。

(ITmedia エグゼクティブ)
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