ＥＵ：ジャーナリストや金髪の美人研修生、スパイかも　内部文書が物議

　【ブリュッセル福島良典】ブロンド美女の研修生やジャーナリストにご用心？　欧州連合（ＥＵ）の行政府・欧州委員会の警備部門がＥＵ情報を狙うスパイ活動に注意を喚起する内部文書が明るみに出て、物議を醸している。

　文書は昨年１２月１９日付で、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネがすっぱ抜いた。欧州委員会の警備局長が人事局長にあてた文書で「国家、ロビイスト、ジャーナリスト、民間機関などが機密情報を追いかけている」と指摘している。

　欧州委員会報道官は「文書はジャーナリストだけを名指ししたのではない。（スパイは）すらりとした脚の金髪の美しい研修生かもしれない」「欧州委員会職員に注意を喚起したものだ」と強調する。

　だが、ブリュッセルに駐在する外国人特派員の多くが加盟する国際記者協会のロレンツォ・コンソーリ会長は「公共の利益のために機密情報を追うのはジャーナリストの任務の一部」と指摘。「商業上の利益を求めるロビイストなどと同列視されるのは受け入れられない」と対応を批判した。