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政界迷走:理性を失った韓国国会(上)

党執行部役員が議員に暴力、前例のない事態

 国会が完全に理性を失った。争点となっている法案の採決をめぐり与野党が激しく対立する中、野党執行部役員が与党議員の首を絞めるなどの暴行を行い、また別の場所では、国会議員同士がもみ合いになって野党議員が腰を負傷した。まさに信じられない事態に国会内では与野党が互いを非難するばかりで、謝罪のジェスチャーさえも行われなかった。

◆車明進議員、民主党執行部役員に首を絞められる

 ハンナラ党の国会議員およそ100人は、1日夜7時ごろに総会を終えてから国会本会議場前にあるローテンダー・ホールを占拠した。そこでキム・ヒョンオ国会議長に対し、争点となっている法案を職権で上程するよう要求した。野党ではなく与党が国会内で立てこもりを行ったことで、民主党議員の秘書や執行部役員らが周りに集まり、「本当に与党議員か」「議員バッジを外せ」などと罵声(ばせい)を浴びせた。

 ハンナラ党の車明進(チャ・ミョンジン)議員が周りに集まった野党の執行部役員による罵声を制止しようとすると、民主党役員と思われる数人が車議員の腕をつかみ、もみ合いになったまま階段を転げ落ちた。国会議員同士のもみ合いや衝突は以前にもあったが、秘書や役員までが議員と同じように暴力行為を行うのは、これまでタブーとされてきた。しかし今回「このタブーが破られた」と国会の関係者らは口をそろえる。与党議員が野党の役員から暴行を受けても、与党のハンナラ党議員らはこれを見過ごしたか、あるいは見て見ぬふりをしていた。現場に民主党議員はいなかった。

民主党の徐甲源(ソ・ガプウォン)議員が担架に乗せられて運ばれている。1日夜、国会議事堂内でハンナラ党の趙源震(チョ・ウォンジン)議員ともみ合いになって負傷した徐議員は、その後救急車で近くの病院に運ばれ、治療を受けている。/写真=ミン・ボンギ記者

チョン・ウサン記者

チョ・ウィジュン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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