慶大航空部監督がグライダーで墜落死

　慶応大航空部の村井一郎監督（５３）がニュージーランドでグライダーの墜落事故に遭って死亡していたことが１日、分かった。同部の吉田正克総監督（７０）は「山にぶつかったようだ」と事故原因を明らかにした。

　吉田総監督によると、事故は現地時間２月２７日に、世界的難所として知られるニュージーランド南部オマラマ付近の山岳地帯で発生。同部ＯＢで約３５年の飛行経験があった村井監督は、英国人教官のルミュエル・タナーさん（６８）と２人で搭乗していた。第一人者として世界でも有名なタナーさんは重傷を負ったものの一命は取り留めた。機体はひっくり返った状態で激しく損傷しており、吉田総監督は「乱気流に巻き込まれたのでは。非常に残念。穏やかで人に対する思いやりのある男でした」と肩を落とした。

　同部は、旅客機パイロットも多数輩出している全国有数の名門として知られる。部員は突然の悲報に泣き崩れたが、９日開幕の全日本学生グライダー選手権大会と早慶戦に向け、練習を継続している。当面は吉田総監督が監督代行を務める。