【社会】裏金づくり、TVで男性証言 岐阜県「虚偽」と告訴2009年3月1日 朝刊 昨年11月に日本テレビ系列で放送された報道番組「真相報道バンキシャ!」に匿名で出演した男性が「岐阜県が裏金づくりを続けている」と虚偽の証言をしたため、事実確認などで職務に支障をきたしたとして、岐阜県が偽計業務妨害容疑で、この男性を同県警に告訴していたことが分かった。 問題とされたのは、昨年11月23日の放映。顔にモザイクのかかった男性が「県の担当者の依頼で架空工事を受注したように見せかけ、20年以上も岐阜県の土木事務所の裏金づくりをしている」などと証言した。 県では2006年に約17億円の裏金が発覚。職員2人が業務上横領罪で有罪判決を受けた。 番組では、その後も裏金づくりが続いているとされたため、県は放送翌日から約1カ月間にわたって調査。県内11の土木事務所で数百人から事情聴取した。映像の背景から県恵那土木事務所の管内とみて、同事務所発注の工事をすべてチェック。工事現場を確認したケースもあった。 その結果、裏金を確認できなかったため県は証言を虚偽と判断、2月下旬になって告訴に踏み切った。 県議会も1月中旬、「真偽の不確かな発言を報道した」として、日本テレビ(東京)に議長名で抗議。同番組のほか2日後にニュースとしても放送した系列の中京テレビ(名古屋市昭和区)にも同様に抗議文を送った。 県警の捜査関係者によると、男性は同県中津川市にある土木会社の元役員(58)とみられる。元役員は同市職員と共謀し架空工事で公金をだまし取ったとして、詐欺罪で起訴されている。県警捜査二課と中津川署は証言の経緯などを調べている。 番組は通常、毎週日曜午後6時から同55分までの生放送。アナウンサーの福沢朗さんと女優の菊川怜さんがメーンキャスターを務めている。 28日夜、「バンキシャ!」に取材を申し入れたが、制作担当者は「総合広報部を通さないとお答えできない」と話した。
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