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サムスン・LG、液晶パネルの生産フル稼働

 世界的な不況で昨年末に減産に入ったサムスン電子とLGディスプレーの液晶パネル生産ラインが一転、フル稼働状態となっている。

 世界1位、2位のサムスン電子とLGディスプレーは、昨年11月と12月の生産量を最大40%削減するなど、いったんは減産体制に入った。しかし、両社の生産ラインは最近、稼働率を最大にまで高めている。

 LGディスプレー坡州工場(京畿道)では、昨年末に稼働率が60%まで落ちたが、現在はパソコン用ディスプレー向けの液晶パネルを除けば、稼働率が100%だ。同社の権暎寿(クォン・ヨンス)社長は「小型のパソコン用液晶パネルは在庫が残っており、正常にラインが稼動していないが、テレビ用のラインはフル稼働状態だ」と説明した。

 これに対し、ライバルの台湾企業の生産稼働率はまだ50%前後にとどまっている。市場調査会社は3位の友達光電(AUO)の生産稼働率を50%前後と推定している。こうした現象を生んでいる原因は為替相場だ。

 サムスン電子関係者は「ウォン安で製品の価格競争力が40%前後上昇した」と話した。中国政府が今年に入り農村部への家電普及政策である「家電下郷」政策を本格的に打ち出すなど内需拡大策を取ったこともサムスン・LGには追い風だ。家電下郷政策ではテレビ、洗濯機、携帯電話端末、冷蔵庫など8種類の家電・電子製品を農村部で購入した場合、政府が価格の13%を補助する政策で、小型(32インチ)の液晶テレビも対象となっている。

 サムスン電子とLG電子の液晶テレビ市場稼働率が昨年末に大きく上昇したことも要因だ。液晶テレビ市場世界1位のサムスン電子は初めてシェアを20%に乗せ、LG電子も順位を5位から3位に上げた。暴落していた液晶パネル価格も今月は小幅ながら上昇した。

白剛寧(ペク・カンニョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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