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【民主党解剖】第1部「政権のかたち」(1)「小沢首相」は大丈夫か (5/5ページ)
木綿の豆腐とワカメのみそ汁…。都内の閑静な住宅街にたたずむ小沢邸の朝の食卓には、低カロリーで消化のよいメニューが並ぶ。昼食は党本部などで、夫人の手作りのおにぎりを口にする。2月23日夜の参院民主党幹部との会合でも、天ぷらにはしをつけなかった。別の場では、トンカツをほおばる同席者を「うまそうだな」とうらやんだ。
小沢は平成3年に狭心症で入院して以来、健康管理に余念がない。周辺によると、日課の早朝の30分ほどの散歩の際には、かつて愛犬とともに早足で歩いていたが、いまは心臓に負担をかけないために犬は留守番だ。約2時間の昼寝を欠かさず、アルコールも1日、日本酒を3合までに控えるよう心がけている。
健康不安説に加え、国会に縛られたがらない性分もある。小沢は今国会の召集日(1月5日)から2月末まで11回開かれた衆院本会議のうち4回欠席した。首相の施政方針演説に対する代表質問もしなかった。
「予算委員会で7時間もイスに座るなんて無理だろう。小沢は苦痛なポストはさっさと投げ出し、院政を敷きたいのが本音だ」。周辺はこう打ち明ける。小沢自身も「議会制民主主義を日本に定着させ、国民の生活を安定させる政治を実現したら、私の役目は終わりだ」と語ったことがある。
循環器系の専門医である多比良医院院長、多比良清はこう指摘する。「食事制限などを考えるといまも狭心症の疑いがある。そうならば、首相の激務に耐えるのは厳しいかもしれない」
代表以外の議員が首相に就任する「総(総理)・代(代表)分離論」も党内でささやかれ始めた。「小沢は自民党をぶち壊すことが最優先で、首相ポストには恋々としないだろう」と党中堅はいう。皮肉なことに政権交代が実現した瞬間に「ポスト小沢」レースの号砲が鳴るのは確実だ。(敬称略)
麻生政権が迷走し、次期衆院選後の「民主党政権」発足が現実味を帯びてきた。民主党とは一体、どんな政党か。第1部では「小沢首相」の政権構想や党が内包する課題を解剖する。