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儚げな鬼 

ある方がおっしゃってくださいました。
銀色が幻想的で儚げで、十年には合っているという意味のことを。
本当はもっと長くて素敵な文章で、私だけ読ませていただくのがもったいないですが。
ありがとうございました。


私は…鬼は”恐怖と悪”の象徴で、白い雪は”純粋な愛”のイメージだと感じ、
「白い鬼」というように正反対の言葉を合わせることで、実に鬼らしくない鬼をつくろうとしたのでした。
だから「白」にこだわったんです。

でも、そうですよね、雪には”儚げ”なムードもありますよね。
儚げな鬼…というイメージは、なんて十年に合っているのでしょう。
それに考えてみれば、愛もまた儚げなものかもしれませんしね…。
だからこそ皆が求めてやまない尊いものなのでしょう。


幻想的で儚げ…という色は、確かに銀かもしれませんね。

[ 2009/03/02 01:03 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

酒嫌いの十年 

前項目の「銀の鬼」創作秘話は、皆様のお気に召していただけたようで嬉しく思います。

丹後まで行ったのは、大江山の酒天童子伝説について調べるためでした。
神便鬼毒酒による鬼退治はあまりにも有名ですよね。

その伝説から私は考えました。
退治されてしまったのは酒好きな鬼だけだったのではないか?
そこにもし、酒に興味がない甘党の鬼がいたとしたら、逃げ延びたのではないかしら?
そして今でも生き続けているかもしれない…と。

それが島影十年なんです。
彼のその後は、いやがうえにも甘党になったでしょうね。
お酒など一滴も口にしなかったでしょうね。
甘党だったおかげで命が助かったんですから、甘党万歳!ってな気持ちだったでしょうね。
…まあ、その大好きなお菓子の中に鬼毒酒が仕込まれる未来が来るまでは…ね。

えっ…青い鬼?
彼は甘辛両刀使いだったんでしょうねえ。
お酒も飲んじゃったけど、よもぎ餅もパクついていたら仮死状態になってしまったのじゃないかしら?
それで十年が担いで関東まで逃げて来たのでしょうね。
鬼が本気出せば、まあ一晩で着いちゃったでしょう。
それでもやっぱ蘇生しなかったので、青い鬼を野原にでも埋めておいたんでしょう。
そこがその後何となく墓地になっていった…と。(いい加減ですねえ〜〜〜)


-続く-

嘘かも

[ 2009/03/01 19:51 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)

雪の鬼 

以前掲示板に書いたことがあるのですが、「銀の鬼」は最初「白い鬼」だったんです。

でも…「白」という色がいろんな問題を含んでいたようで避けることになり、「銀」に決まりました。

なぜ「白」にこだわったかというと、十年のイメージは雪の中から生まれたからでした。

29歳の終わり頃、次は鬼作品を描こうと決め、京都の奥の西舞鶴まで資料を探しに行った時のにわか雪の中から…。

それは何分間か目の前が白一色になった程でしたが、やがてスッと消えてしまいました。雨に変化することもなしに。一瞬の大雪という感じでした。

そこで確かに私は”何者か”の存在を感じました。

孤独な自分が生み出した幻想なのかもしれませんが…。

とにかくそれが島影十年創作の原点です。



…あれから23年です。

私はまだ、その雪の中の何者かの謎を解けずにいます。それが私の「銀の鬼」です。

このブログタイトルを「雪が降る」とした理由も、もうお分かりですよね?



続編の構想もだんだん形作られてきました。

もうすぐ描き始めるつもりです。


[ 2009/03/01 01:38 ] 未分類 | TB(0) | コメント(-)
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プロフィール

Author:茶木ひろみ
(本名は現在非公開とさせてください)
1956年4月16日牡羊座
兵庫県神戸市生まれ
コーヒーとバタートーストとチョコレートケーキと麺類が好き。

職業は謎の漫画家。
幼少の頃から世界は恐怖と愛でできていると感じ、その矛盾を受け入れる生き方を続けている。
現在も描き続けている「銀の鬼」シリーズは、その矛盾がテーマとなっている。

ピアフやアダモをBGMに原稿を描くのが最高の幸せ。

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