うつ病治療・常識が変わる
テーマ:テレビ録うつ病患者100万人、その半数は再発し、25%は長期化するという。
「7種類の薬を飲んでいました。」など・・・。こうした中、うつ病の治療方法が変わってきた。薬を半分に減らした例もある。薬の量や、投薬方法を考えないといけないという医師。
また最近はうつ病の内容・傾向も変わってきている。そして最新技術による判定や、薬に頼らない治療も出てきた。
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東京大学大学院カン・サンジュン教授と日本うつ病学会理事長の野村総一郎さんがゲスト。
まずは抗うつ薬の問題から。
東京三鷹の杏林大学病院。田島治教授は、長期化する人は薬を飲みすぎているとして、まずは薬を見直すことを提案している。
田島さんの指導で薬を減らした伊藤慎一郎さん38歳。治療以外は外出せずベッドで過ごす。起き上がれず髭を剃ることもできない。「何でよくならないのかな?ともう少し良くならないのかな?」ということを考える日々。19種類の薬を飲み、昨年突然意識を失い転倒した。
田島教授のもとを親と訪れた。
抗うつ薬はセロトニンを増加させる。セロトニンを増加させるとドーパミンが減少し、これがうつの症状に似て、めまいなどを起こすという。
伊藤さんは薬を減らして様子を見ている状態。
66歳の寺田稚津子さん。認知症の母親を介護してうつ病を発症し、多いときは19錠もの薬を処方された。そのクリニックに不審を抱いたのが夫の秀雄さん。寺田さんは、薬局で’財布が無い’と動転したのをきっかけに、田島教授のもとに行くことにした。
田島教授は徐々に薬を減らしていくことを指示し、別の薬を適用。寺田さんは今では台所に立てるまで回復した。「こんなに気持ちって変わるもんなのかな。」と自分でもビックリしていると寺田さん。
伊藤さんは、薬を減らしたが、うつ本来の症状が出て入院。退院した後1ヵ月後の伊藤さんを取材。伊藤さんはすっかり元気になり、会社関係の書類を整理していた。髭も剃って、洗顔し、取材当初の様子とはずいぶん変わった。
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寺田さん夫婦がスタジオに。またうつ病患者の家族の会代表の砂田くにえさんも。
カンさん・・・医者と患者の立場が非対称でなかなか本音を言えない。
野村さん・・・事故が怖いし薬処方で逃れる。
医者選びここに注意
・薬について何に効くかとか副作用を説明しない。
・いきなり3種類以上の抗うつ薬を出す。
・薬がどんどん増える。
・薬について質問すると不機嫌になる。
・薬以外の対応方法を知らないようだ。
「明日から病院も変わるかも知れない」と砂田さん。
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14年間うつ病と戦ったAさん40歳。毎月残業が長く、落ち込みの度合いが毎月深く長くなっていった。病院も5つ変わったが状況が変わらなかった。「またダメ、またダメ、またダメ」でどんどん落ち込んでいった。おととし市販の薬を大量に飲んで自殺を図った。心配した妻が虎ノ門のクリニックをさがしあてて、臨床心理士のもとに治療していくことになった。
そこでAさんは、グループ討議で急におしゃべりになり、どんどん独自に進めていった。報告を受けた五十嵐義雄院長はこれまでの診断が間違っていたと気づく。双極性障害Ⅱ型と診断され、うつ病と誤診であることが確認された。
気分変調症などとも間違えられやすいうつ病。五十嵐院長「最近は症状も異なり、改めて難しいと思う。」と語る。
Aさんは薬を変えて、症状が大幅に改善し、現在は職場復帰している。
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仙台市に住む主婦田中幸子さん59歳は、医師に処方された薬を飲んで一時的に意識不明になってしまった。
田中さんは、各病院やクリニックを調べて、その処方の違いなどを確認。またある患者は同じ病院でもかかった医師によって処方される薬が違っていることもあった。
出された5種類の薬を、田島先生に見てもらう。すると、同じ効果の薬を3種類出していたり、副作用が強く初めての患者には通常出さない薬、別の先生がうつ病と双極性障害用の別の薬を出していたばどがわかった。
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クリニックが増える一方で、誤診を招くことも増えているという。「もうかることに価値観を持っている人が多い」とある医師は語る。
あるクリニックの院長は、脳神経外科が専門。大学で精神科を学んでいなくても、現在の制度・法律では開業が可能なのだ。
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スタジオ
カン教授・・・「医者の運・不運で患者の人生が決まるのはおかしい。」
取材記者・・・「薬の’処方権’は医師だけに与えられている。」
では国はどう考えているのかを厚生労働省に出向く。
精神障害保健課の福島課長・・・どういう治療をするかは医師にまかされている。ただ統一感が無いのは問題。
厚生労働省では内科などの開業医を対象にセミナーを実施。講師には坂元教授を招いた。
厚生労働省でもガイドライン作成に取り組んでいる。
野村さん・・・日本精神医学学会も取り組んでいる。
カン教授・・・悪質な医師は淘汰されていく。
寺田さん・・・薬の違いでまったく違う。もう少し真剣に取り組んで有名な先生に早く診てもらえば良かった。
野村さん・・・テレビに出ている先生が良い先生とは限りませんよ。
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群馬大学では新たな取り組みが行われている。電極を付けた装置を頭に付ける。早速アナウンサーが被って、実験開始。この装置を使えば、健康な人と、典型的なうつ病の人が峻別できる。さらに双極性障害も識別できる。
いままでは心の病は目に見えないといわれてきたが、患者に見えるように診断できるようになると福田正人准教授は語る。
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また磁気による脳の活性化、磁気刺激療法も開発されていきている。薬が効かない人への対応が見込まれている。
イギリスでは心の治療において薬を処方しないで、心理療法センターにおいて治療する。
リチャード・ペンドリーさんは、センターで、カウンセリングを受けていた。認知行動療法と呼ばれるこの方法は日本でも取り入れているが日本では「傾聴」に重点が置かれている。
センターでは質問を重ねていき、本当の原因は何か?を探求していく。心理士のセシリアさんはリチャードさんの不安原因までたどり着いた。
「抗うつ薬治療は切れると再発する可能性が高いが、認知行動療法はそれが少ない」とセンター長は語る。
イギリスではこの方法により、医療費の削減も図ろうとしている。
セシリアさんはさらにリチャードさんに質問し、物事を悲観的に考え過ぎることに気づいて欲しいと考えていた。
リチャードさんは娘に会えないと思い込みがちだったことに気づいていった。この治療から1ヶ月、リチャードさんは回復していった。
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スタジオにイギリス精神医学研究所・研究員の小堀修さんも登場。
「白衣は着ないし、セラピストと患者が二人三脚で治療している。」
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日本でも心理療法を取り入れているが、患者が多すぎて時間が無いという。北田辺カウンセリングセンターでは臨床心理士の治療用に別のクリニックを建てて、受け付けるようにしたが、現在は保険も効かないため、1回に2万・3万もかかるという。
野村さん・・・「(専門医師のみでなく)他の職種の方も力を合わせて取り組むべき病気がうつだ。」
カンさん・・・「うつ病も自分の問題と地続きだということを認識して、安全ネットができないといけない。」
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東京虎ノ門にあるクリニック。患者の家族に対するセミナーが催されていた。患者の家族からの意見も吸い上げていく。
変わり始めたうつ病治療。社会全体で治していく。これが常識になっていく時代だ。
■薬に頼らない生活
本当にその通りですね。高齢化により持病薬に頼るようになった。未だビタミン剤程度ですけどね。