ノーベル平和賞(07年)を受けたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の温暖化予測にも貢献した国産スーパーコンピューター「地球シミュレータ」の機種更新が終わり、横浜市金沢区の海洋研究開発機構横浜研究所で公開された。4月から本格利用される。
旧機種はスパコン640台を接続していたが、性能向上により160台に減らした。計算能力は毎秒131兆回(理論値)と旧機種の3.2倍。消費電力は2~3割少なく、設置面積も半分の650平方メートルで済んだ。
地球シミュレータは旧機種が完成した02年から約2年半、世界のスパコンランキングで1位を守ったが、昨年11月には世界73位、国内でも5位に後退していた。更新によって国内1位、世界では18位程度まで浮上するとみられる。
NECが所有しており、海洋機構が6年間で185億7600万円のリース料を払って研究用に提供する。海洋機構の島田敏明グループリーダーは「これからも気候変動の解明などに貢献したい」と話す。【西川拓】
毎日新聞 2009年2月27日 10時42分(最終更新 2月27日 18時43分)