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【社会】

上智大生殺害放火 粘着テープに犬の毛 3種、犯人飼育か

2009年3月1日 07時04分

 東京都葛飾区柴又の自宅で一九九六年九月、上智大学四年生小林順子さん=当時(21)=が殺害された事件で、順子さんを縛った粘着テープに、三種類の犬の毛が付着していたことが亀有署捜査本部の調べで分かった。今年一月、DNA鑑定で判明。犯人が複数の犬を飼う愛犬家の可能性が浮上した。

 時効まで二年半。二十八日には時効の撤廃や停止を求める順子さんの父賢二さん(62)ら犯罪被害者遺族でつくる「宙(そら)の会」が発足した。

 捜査本部によると、粘着テープは、凶器の刃物と同様、犯人が現場に持ち込んだとみられており、順子さんの口をふさいで手足を縛るために使われた。

 テープには毛が付着しており、捜査本部が獣医学の専門家に鑑定を依頼。最新技術でDNA型を分析した結果、犬の毛と特定され、三種類あったことが確認された。

 小林さん宅は一度も犬を飼ったことがなく、捜査本部は犯人が複数の犬に囲まれる生活をしていた可能性が高いとみている。

 これまでの調べで、小林さん宅の玄関付近に残されたマッチ箱に付着していた血液から、犯人の血液型はA型と判明。順子さんの両足首を縛っていたパンティーストッキングは「からげ結び」と呼ばれる特殊な結び方で、造園業や和服の着付け、土木、電気工事現場などで使われることが分かっている。

 事件は九六年九月九日夕、小林さん宅を全焼する火事があり、二階で手足を縛られ、首を果物ナイフのような刃物で刺された順子さんの遺体が見つかった。外国語学部英語学科に通っていて、事件の二日後に米国留学を控えていた。

(東京新聞)

 

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