6月中に発行予定の韓国5万ウォン札の図案(表面)=韓国銀行提供
【ソウル=稲田清英】韓国で最高額紙幣となる5万ウォン(約3200円)札が6月に発行される。いまの最高額紙幣の1万ウォン(約640円)札は発行から36年。物価上昇で財布がかさばるなど不便が指摘されていた。円高ウォン安で急増している日本人観光客も重宝しそうだ。
韓国銀行(中央銀行)は発行に先立ち、5万ウォン札の図案を公開。表の肖像には詩や絵画など幅広い才能を発揮した朝鮮時代の女性芸術家、申師任堂(シンサイムダン)が描かれている。
07年5月に韓国銀行が発表した高額紙幣発行計画では、1万ウォン札発行が始まった73年以降、物価は12倍以上に上昇。経済実態と合わなくなったうえ、高額紙幣代わりに使われる小切手の発行コストもかさむため、発行が決まった。その後も原油高やウォン安などで物価上昇は続いている。
ただ、同時に発行が予定された10万ウォン札は、図案に使う古地図に日本と領有権を争う竹島(韓国名・独島)が載っていないことが問題化したことなどで、1月に中止が決まった。