(CNN) 有事発生時に備えて民兵が自宅に銃器を保管しているスイスで、銃器の自宅保管の是非を問う国民投票が実施される可能性が出てきた。自宅にある武器を使った自殺や殺人事件が増加しているとして、社会民主党と緑の党が国民投票を求める署名12万人分を集めた。
スイスは国民皆兵制度を敷いており、19歳から31歳までの男子は民兵としての訓練を受けている。有事発生時の動員数は約22万人。
2007年には銃弾や弾薬の自宅保管を禁止する法案が可決されているが、両党はこの基準をさらに厳しくするよう求めている。
両党によると、年間約300人が、銃によって死亡している。
緑の党は、スイスの民家には使用されていない銃器が150万点以上、保管されていると指摘。銃器の保管管理体制を整えるためにも、自宅での保管はやめるべきだと主張している。
また、医療関係者も、銃器の自宅保管がなくなれば、武器を簡単に手にする機会も減り、銃を使った自殺は激減すると指摘。ある調査では、銃器の取り扱いが厳しく取り締まられている国々において、銃以外の方法による自殺数は増加していないことが明らかになっていると述べている。